雑渡さんの恋煩い「私を弄んで楽しいか、この淫売」
zatに顎を掴まれたせいで、詰問から顔を背けることができない🌸
🌸はzatに嫉妬して欲しくて、zatが命懸けの日々を送ることが怖くて、zatに自分のことを少しでも考えて欲しくて、肉体的浮気を繰り返してる。
「弄ばれてくださるの?」
無邪気を装い問えば、zatの乾いた笑い声が降ってくる
「悔しいけどね。その通りだ。お前のような阿婆擦れに心底惚れた哀れな男なんだよ、私は。」
🌸の首にzatの手が添えられる
「いっそ今ここで縊り殺そうか。そうすればお前の目に映る最後の男は私だろう?」
「残念だわ。そうなれば私は目を閉じ、あなたの知らない男の名前を呼んで、事切れるわ。あなたの消えない傷になるの。」
「やめろ」
zatは🌸の首に添えた手に力を込める。
「お前の目をつぶし、足を奪い、顔を焼く。体に醜い傷跡を残してやれば、お前も観念して私に飼われてくれる?」
「そうね。そうなったら…いっそ一緒に死んでくださる?」
あなたは決して頷かない。
どこまでいっても、あなたは私のものじゃない。
だから私もあなたのもので無いフリをする。
ああ、なんと無為な時間よ。
終