Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    melrose_E

    えれめんたるの某村に住んでるよ
    HLなうちよそのお話をupするよ。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 18

    melrose_E

    ☆quiet follow

    相方さん誕生日おめでとうで書いた話のお話が全然お祝いしていない話になった。
    不思議だな。

    友情出演:フレンドさん。ただし名前は改変してあります。

    もっと違う形で知りたかったなあ、と思ったり思わなかったり 今日はちょっと遠出するから。そう言い残してルカさんとネンザさんがカンパニーハウスを出ていったのが二日前。まだ冒険者としてのレベルが二人より大きく劣る私はお留守番だ。ダンジョン探索も二人と一緒に行くことが多いので寂しいけれど、こればかりは仕方がない。一刻も早く二人に追いついて一緒に出掛けられるようにするしかない。
     でも今日は錬金術ギルドの仕事が優先だ。まだ作りたいオーナメントを作れるようになれないのだ。まだセレモニーをいつ行うか決めていないけれど、決まってから慌てるのは嫌だから、少しでも早く目標レベルに到達したい。ありがたいことにネンザさんが協力してくれているおかげで調子よくレベルは上がっていっている。目標まであと少しだ。
    「んんー、一旦休憩しようかな」
     黙々と薬研で材料をすり潰し薬剤と混ぜ合わせるのにも飽きてきた。お腹が空腹を訴えてきていることだし、食事にしよう。ルカさんが作り置きしてくれたご飯がまだあるし。帰ってくる前にちゃんと食べきらないと怒られてしまう。
    「もう、小さな子供じゃないのになあ」
    「ララフェルは小さいからなあ」
    「ひゃあ!」
     ハウスに誰もいないのをいいことに、そんな愚痴をこぼしながら今まで使っていた錬金術の道具を片付けていたら、自分以外の声がしたんだから心臓が飛び出るかと思った。せめてこう、入ってくる前に何かしら合図がほしい。
    「アーデルハイドさん、何かしら事前に連絡をください! あとルカさんならお出かけ中ですよ」
     堂々と不法侵入をしてきたアウラ族の女性はルカさんのお友達なんだそうで。いつもこんな感じで突然カンパニーハウスにやってくる。悪い人ではないのだけれど、たまにどう対応したら良いか考えてしまう感じだ。
    「あぁ、ルカ君いないのは知ってる。っていうかいいの?」
     はて。ルカさんがいないとわかっていながらアーデルハイドさんがここに来るなんて一体どうしたことだろう。しかも「いいの?」とはどういう意味で言われているのかさっぱりわからない。わからないならば聞くしかない。私自身はアーデルハイドさんと直接やり取りすることはほとんどないから少し緊張するけれど、今このハウスには私以外いないのだから仕方ない。
    「あの、何かあるのですか? 私はルカさんからもネンザさんからも特に何も聞いてないんですが……」
     大先輩の冒険者に対してこんな軽い調子で話しかけて大丈夫だっただろうか。背中を冷たい汗が伝うけれど気にかけている余裕なんてない。
    「帰りがいつになるかわからないよね? 今日ルカ君誕生日なのに留守番でいいんだね、ってだけ」
     アーデルハイドさんは私の問いかけに答える気はないみたいで、どんどん自身の話を進めていく。それ自体はルカさんとのやり取りでも時折あったことだから特に驚かない。でも内容を聞いたら私は目を瞬かせることしかできなかった。だって誕生日と言った。ルカさんの誕生日だなんて知らない。
     それこそ子供ではないのだし、わざわざ聞くようなことなかった。でもアーデルハイドさんは知っているということはある程度親しくなれば互いの誕生日を知っているのは当たり前で、その日は集まったりしてお祝いをするものだったりするのだろうか。いや。その理屈ではここにアーデルハイドさんがいるのもおかしなことになるのでは。だってルカさんはアーデルハイドさんを友人と認識しているのだし。
     そんなことよりもっと大事なことがある。
    「たんじょうび…?」
    「あれ? 聞いてなかった?」
     驚いた風だが少々わざとらしく感じるののは何故だろう。多分顔つきが、楽しそうに見えるからだ、私の反応を見て楽しんでいる。これ以上慌てふためいたところでアーデルハイドさんを更に楽しませるだけだ。落ち着いて、冷静に。
     私は確かにルカさんとエターナルバンドをすることになったけれど、所詮同じカンパニーに所属しているだけの他人なのだから個人情報を知らないのは当たり前。そうだ、私だって自分の誕生日をルカさんに伝えていないじゃないか。彼を責めるのはお門違いというものだ。
    「特にこのカンパニーでみんなの誕生日をお祝いする習慣もないみたいですし、知りませんでした」
     ちゃんと笑って言えただろうか。アーデルハイドさんはこれでいて人の心の機微に聡いところがあるから、私が取り繕っているのなんてすぐ見破ってしまうかもしれない。
    「まぁ、確かにそうか。ルカ君もその辺鈍いもんなあ」
    「ルカさんは鈍くなんかないですっ!」
     あんなに優しくて色々なことを気にかけてくれる人を鈍いなんていくらご友人といえども失礼だ。断固反対させてもらう。
    「ふぅん? メルさんはそう思うんだ?」
     あぁ、また楽しそうな顔だ。対応を間違えてしまった。しばらくはアーデルハイドさんのおもちゃになることが決まったけれど甘んじて受け入れるしかない。
    「メルさんとはゆっくり話したことなかったし、ちょうどいいと思ったんだよね」
     何もちょうど良くないです。私はトリテレイアオーナメントとカーネーションオーナメントを作れるようになるべく今必死なんですからそっとしておいてください。
     そう言えたら良いのに。



    「お疲れ様〜」
     にこにこご満悦でそう言うとアーデルハイドさんは帰っていった。よくわからないままダンジョン探索に連れて行かれること三日。幸いルカさん達はまだ帰ってきていないけれど、当然錬金術の腕は上がっていない。こんな調子でセレモニーまでにオーナメントを作れるのか不安になってきた。
    「とりあえず、ごはん食べよう…」
     アイスボックスの中に保存されている食事を取り出した。ここに保存してある食事がなくなる頃には帰ってくるとルカさんは言っていたけれど。アーデルハイドさんに連れ回されたお陰でまだまだ食事は残っている。そろそろ帰ってきてもおかしくないかもしれない。それととこんな風に食べない日が生じるのを見越しているだろうか。
    「いやさすがにそれはないよね」
     今日は鳥の卵とチーズを絡めたクリームのパスタ。ちょっとカロリーたっぷりだけどここ数日の食事は取り敢えずのものばかりだったからまあ問題ない。あとサラダでも食べればいいだろう。それくらいなら自分で作れるのだ。いや、こんな凝った料理でなければ自炊は出来る。何しろこうして冒険者になる前は弟のルイと二人暮らしだったわけだし、冒険はだった両親は留守がちだったからそうでなくともある程度の家のことは出来るようになっていた。
     パスタとサラダ、それからお水をテーブルに並べて食事を始める。一人の食事は気楽だけれど少し寂しい。寂しくなると余計なことばかり考えてしまう。
    「やっぱり、ルカさんにとって子供みたいなものなのかなあ……」
     今日のご飯も美味しい。でも味気ないのは一人だからか、余計なことを考えているからか。両方かもしれない。
     がじりとフォークを齧る。こんなお行儀が悪いことしてるのを見られたらますます子供だと思われてしまう。でも今日は誰もいないのだから許してもらおう。明日から、またちゃんとするから。
    「なんでルカさんはヴィエラで、私はララフェルなんだろうな」
     言っても仕方がないことをこぼして、食事を再開させた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    melrose_E

    DONE暑い日が続くので。涼しいお話を書きたいなってなったのです。
    あと純粋に新しい水着を仕入れたので…

    ヴィエラとララフェルのCPの小話。勢いで書いてるので誤字脱字等々ご容赦くださいな。
    眩しすぎるのは太陽じゃなくて 今日の朝ごはんは私が作った父さん直伝のドードーオムレツと、ルカくんが作ったパースニップサラダにウォルナットブレッド。ウォルナットブレッドは私が食べやすいようにちょっと小さく丸い。しかもほんのり甘い。私の大好きなパン。
     二人でキッチンに立って準備をした朝食は簡単なものばかりだけれど美味しい。何より二人で作って、同じものを食べる日々が楽しい。
    「ねえメルさん海に行かない?」
     オレンジジュースを口に含んだところで突然のお誘い。ちょっと驚いた。
    「この前新しい水着、買ってたよね?」
     確かに買った。去年貰った水着も嫌いではないけれど、先日タタルさんから譲ってもらった無人島で交易を頑張って頑張って頑張ってやっと勝った水着は上に半袖のシャツを羽織れるようにとセットになっていたから重宝しそうだなあと思ったのは確かだ。普通の水着と違って、そのシャツに合わせたショートパンツもあったから、海に入らないにしても暑い時にはいいかもしれないと思って。買ってすぐにルカくんに見せたのも事実なんだけれど。
    2085

    recommended works