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    melrose_E

    えれめんたるの某村に住んでるよ
    HLなうちよそのお話をupするよ。

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    melrose_E

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    うちよそ小話。
    種族が違うことでぐるぐるしがちなうちの子です。
    この頃のFCハウスはミストにありましたね。Sハウスでした。
    懐かしいね(現在はシロガネのLハウスだよ!温泉温泉!)

    簡単な人物紹介
    メル:ララフェル(デューンフォーク)
    ヴィエラの義弟がいるよ。弟は立派なシスコンに育っているよ!
    ルカ:ヴィエラ(ヴィナ・ヴィエラ)
    みんなにもてもてなヒカセンだよ。本人は恋愛とか疎いっぽい?多分?

    雨も好き。でも嫌い。 最寄りのマーケットボードまで買い物に行こうとカンパニーハウスの扉を開けたら、しとしと細かい雫が空から落ちてきていた。ついてないなあと思いながらも、一旦カンパニーハウスの自室に戻り、東の国で作られているという傘を手にして再びハウスの入り口へ向かった。そもそも雨が降ろうが気にしないで濡れるままにする人の方がエオルゼアには多い。濡れないようにと傘を使うのは一部の人だけだし、私もかつてはそうだった。それがわざわざ部屋に戻ってまで傘を手にするようになったのには勿論理由がある。この傘をルカさんから貰ったからだ。
     この傘、番傘というらしいのだけれど。これを貰ったのはまだルカさんと知り合って間もない頃。私はまだ冒険者になったばかりで、初めて見た東の国の衣服がとても可愛くて珍しくて。つい冒険者になる前に貯めていたお金を使って袴というのを買い、頻繁に着ていた。もの凄く高額ではないけれど、それなりのお値段だったのに雨が降ればずぶ濡れにしていたから、気にして袴の時に似合う傘をくれたんだろうな。
     その後しばらくしてから、何故か更に二本も傘を貰っているのだけれど。以前雨が降っているけれど私が傘を使わないでいたから気になったのかな。
    本来なら濡れるのを防ぐための道具であるのが傘なのだし、一人一本持っていれば充分なんだろう。でも街中で水玉の傘とか、真っ白なフリルがついた傘を見てしまったらなんだかその時着ていた服に合っていない気がして差しにくくなってしまったのだ。ルカさんもその場にいたから、気になったのかもしれない。ある日突然「前にあげた傘も似合ってたけど、着る服の雰囲気に合わせて使い分けてもいいかなって」なんて言いながら二本目、三本目の傘をプレゼントしてくれた。
    絶対私が羨ましそうに他の人の傘を見ていたからに違いない。でもルカさんがくれたモノトーンチェックの傘と白を基調として青い模様が入った傘は眺めていれば渡してくれた時のルカさんのことを思い出して嬉しくなるし、前は雨が降りそうなだけで憂鬱になったのに、今は今日の服ならばどの傘が一番似合うだろうかと考えて楽しくなる。
    だから、私が一番気に入っているのは白の傘なのだけれど、今日はそれは使わない。袴を着ているから、初めて手にした番傘を使うのだ。
     それにしても、今でもあの時のことを思い出すと顔から火が出そうになる。なんでルカさんはこちらが照れるようなことを簡単に言うのだろう。私が照れやすいだけだろうか。
    でもそれも仕方がないことなのだ。だってこれまで私のことを褒めてくれる人は今はいない両親と、私に無理やり言わされていた弟くらいしかいなかった。だから簡単に似合うとか可愛いとけ言われるとどうしても照れてしまうのだ。言われ慣れていなければ誰だってそうなるに決まっている。そう、私が悪いのではなくてルカさんが悪い。
     自分を正当化しながら階段を降りてハウスの入り口まで戻ってきた。扉の外は相変わらずの雨模様だ。でも先ほどよりは気持ちは明るい。
     マーケットボードまではハウスからさほど離れていない。きっと以前ならば濡れるのも気にしないで雨の中歩いていたし、正直時間に余裕がない時は今だって傘を差さずに走ってずぶ濡れになることもある。だからこそ、時間に余裕がある今日みたいな日は傘を差し、ゆっくりと歩くのも良いと思うのだ。
    「あれ、メルさんだ」
     ばたばたと紙を叩く音を聞きながらお目当ての素材が売られていないか調べている間にそれなりに時間が過ぎていたようで、雨音は少し小さくなっていた。そのおかげで彼の声が雨音に消されることなく私の耳に届いた。視界の端に、草履を履いた足が見えた。まだほしいもの全部を調べ終わっていなかったのだけれど、声の主に視線を移す。
    「何かほしいの?」
     藍色の羽織を着た彼は、私と色違いの番傘を持っていた。偶然だけれど、同じように着物を着て番傘を使っているのがなんだかお揃いみたいで嬉しくなる。私と違って色々な場所に行けるルカさんはお洋服も装備も沢山だから、こんな風に似た感じになることは少ない。傘だって、この前一緒にアーゼマの秘石に祈りを捧げた時は違う物を持っていた。つまり最低でも二本は傘を持っているということだ。
     実は先日傘を複数持っている話を弟にしたら「なんで?」とか言われてちょっとだけへこんでいたけれどもう気にしない。弟がなんだ。関係ない。
    「これからハウスに行くんです?」
    「うん、そう。メルさんは? もうマケボ見るの終わったなら一緒に行こう」
     なんて誘惑だ。でもこうして一緒にいられる時間は貴重だ。マーケットボードも素材も逃げないのだし、雨の中一人でここに残るのもさみしいし。もうこれは戻る以外の選択肢なんて存在しないだろう。
    「うん、終わったんで戻ります!」
     ああでもどうせなら。一つの傘で隣り合って歩きたいなあ、なんて。以前雨の日に見かけたカップルの姿を思い出したけれど。ララフェルとヴィエラではそんなのは無理だ。一つの傘で、なんて思ったらそれこそ抱き上げてもらわないと無理だ。そういう恋人らしいやり取りなんてとっくの昔に諦めているからいいのだ。
     でもやっぱり羨ましくて。ついため息を吐いてしまったけれど、本当に小さかったし、まだ雨は降っているし、ルカさんのお耳は遠いし。きっと聞こえなかったと信じよう。
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    Replies from the creator

    melrose_E

    DONE暑い日が続くので。涼しいお話を書きたいなってなったのです。
    あと純粋に新しい水着を仕入れたので…

    ヴィエラとララフェルのCPの小話。勢いで書いてるので誤字脱字等々ご容赦くださいな。
    眩しすぎるのは太陽じゃなくて 今日の朝ごはんは私が作った父さん直伝のドードーオムレツと、ルカくんが作ったパースニップサラダにウォルナットブレッド。ウォルナットブレッドは私が食べやすいようにちょっと小さく丸い。しかもほんのり甘い。私の大好きなパン。
     二人でキッチンに立って準備をした朝食は簡単なものばかりだけれど美味しい。何より二人で作って、同じものを食べる日々が楽しい。
    「ねえメルさん海に行かない?」
     オレンジジュースを口に含んだところで突然のお誘い。ちょっと驚いた。
    「この前新しい水着、買ってたよね?」
     確かに買った。去年貰った水着も嫌いではないけれど、先日タタルさんから譲ってもらった無人島で交易を頑張って頑張って頑張ってやっと勝った水着は上に半袖のシャツを羽織れるようにとセットになっていたから重宝しそうだなあと思ったのは確かだ。普通の水着と違って、そのシャツに合わせたショートパンツもあったから、海に入らないにしても暑い時にはいいかもしれないと思って。買ってすぐにルカくんに見せたのも事実なんだけれど。
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