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    ホグワーツを歩いていると、時折聞き耳を立てずとも生徒らの会話が聞こえてきてしまうことがある。その日の朝に聞こえてきた内容は、『良い年して親に頭を撫でられるのが嫌』というものだった。
    子ども扱いされてるようで気に入らない、とういう気持ちも分からなくはない。しかし彼らに言わせてみると、『きもいしうざい』とのこと。流石にそれはちょっと言い過ぎではないだろうか。日々私がついあの若き友にしていることを思い出し、ふと不安に駆られた。あの子に限ってまさか、いやもしかすると…。

    その日私は一日心ここに在らずだったのだろう。若き友の呼び掛けにふと意識を浮上させると、明らかに心配そうな目で見つめられていることに気がつく。君にそんな顔をされるものだから、今私が抱いているものは杞憂に過ぎないのではないかと安堵してしまいそうになる。
    この際だから、今朝方聞いてしまった会話について、本人に直接どう思っているのか聞くのが手っ取り早いかもしれない。
    「──という会話を聞いてしまってね。…時に君は…、その、なんだ。…どう思う。」
    言葉をつっかえさせながら手で空を撫でる仕草をする。
    「私が君に、こう…するのを。」
    きょとんとしていた友人は、しばらくして私の言いたいことを理解したようだ。

    「全く気になりませんよ。」
    そう言って微笑む友人の姿を期待していた。
    しかし目の前の友は考え込むポーズを取り、眉間に皺を寄せている。
    あぁ、なんということだ。もはや修正の利かない癖になりつつあるそれは、我が友にとっては『きもいしうざい』だったのか。

    「すみません、先生。よく分かりません。」
    頭を抱える私の手を、友人はおもむろに掴んで持ち上げ─そのまま友人自ら自身の頭に乗せた。
    「その人たちの気持ちがよく分からないなと思って。もう少しこのままでいたら分かるかも。」
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