リョ洋ドライブ 知人の駐車場を借りて車のタイヤ交換をした。
愛車が気持ち重くなったのを感じながらアクセルを踏んで冷えたアスファルトの道を進んでいく。明るくはなってきているものの早朝はまだ薄暗い。ライトは頼りなく目の前の道を照らしていた。
間もなくアパートに着くと、寝ていたはずの宮城さんが黒のダウンを着て肩をすくめながら駐車場に立っていた。そばにあるキャリーケースには昨日一緒に荷造りした2人分の着替えが入っている。
「宮城さん、起きてたの」
すぐに横につけてやると、宮城さんは「さみぃさみぃ」と言ってケースを後部座席に置いてから助手席に座り込んだ。全身から冷気が漂っている。
「寝ててもよかったのに」
「早く行きてーし、つか起きたらいなくてビビった」
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