乳首責めされてイっちゃう受け 台葬「はぁ……眼福♡」
ソファーに座るウルフウッドの太ももにヴァッシュは頭を預けて感嘆の声をあげる。
「……なんで、こないな事に」
うっとりと目の前の薄桃色に蕩ける表情をしたヴァッシュとは対照的にウルフウッドの顔は険しく、声も曇る。
「君が言い出したことじゃない」
まるで鼻歌を歌うように、明るい声でヴァッシュはそう言うと、すっかり力が抜けて柔らかなウルフウッドの太ももに顔をすり寄せた。
「うう……不可抗力や」
力なくウルフウッドは項垂れ、自分の不運に情けない声をあげた。
ウルフウッドがヴァッシュの好きにさせている理由は数時間前まで遡る。
旅の途中でふたりが訪れたとある街。
プラントも数基保有している資源が潤沢なばしょだった。とくれば、ここでは他では見られない様な様々な娯楽が溢れていた。
そんな街の郊外で開催されていた公営ギャンブルが【トマレース】だった。
「わいには神のご加護がついとるんや!」
威勢良くそう言いながら、ウルフウッドは引き寄せられるレース会場へ飛び込んでしまった。。
「そんなにうまく当たりっこないよ」
「うっさい。臆病もんは黙って見ときぃ。わいが大勝ちするとこ!」
そう言ってパドックに居るトマ達をじっくり観察した後、ウルフウッドは事もあろうに高配当トマの一点に財布の中身全部を突っ込んでしまった。
「あぁ、そんな買い方して。すっからかんになっちゃうよ」
「大丈夫や、わいなら勝てる」
「変なアドレナリン出てない? 仕方ない、僕も少しだけ付き合うか」
ヴァッシュもウルフウッドに習い、トマ達の様子と目を見てひとまず一枚だけ購入した。
「はん、そいつ選ぶなんて素人やな」
「トマレースは見たことはあるけど、賭けたことなんてないもん」
「見とれ、ほんまもんの博打師の生き様!」
「君、葬儀屋でしょ」
「今だけはギャンブラーや!」
「身ぐるみ剥がされちゃったらどうするの? 今日君だけ野宿?」
「はぁ? そんな事になるわけないやろ! わいが優勝や」
「君は優勝しないよ、優勝するのはトマだって。ルール分かってるの? 仕方ないな、すっからかんになっちゃったら、僕のお願いを一つ聞いてくれたら今日だけ宿代は僕が出してあげるから」
それからまもなく開催されたレースは、ヴァッシュの予想通りウルフウッドは大負け。全くの無一文になってしまった。
全くの無欲で望んだヴァッシュが購入した一枚が運良く一着となり、失ったウルフウッドの財布の中身と少しの小遣い程度の配当を得ることができた。
「……そんな、あほな」
「君、賭け事の才能無いよ」
失った金額とほぼ同じ額をヴァッシュから手渡され、悔しそうな顔をしつつもありがたくそれを受け取るとウルフウッドは財布にしまい込んだ。
「残りのお金で、ちょっと良い宿に泊まれそうだから僕がおごってあげる。だから、お願い一つ聞いてくれるよね?」
すっかりさみしくなってしまった財布の中身まで、元通りにしてもらい宿まで手配されたのではウルフウッドに断る事などできない。
「男に二言はない!」
その力強いウルフウッドの言葉にヴァッシュは、満面の笑みを浮かべた。
「わいは男やぞ」
「うん♡ 知ってる」
「ほんまに、……これでええんか、おどれは」
「もちろん!」
シャツの全てのボタンは事前にヴァッシュによって外されている。歓声を上げたと同時に、ヴァッシュは両方の人差し指を伸ばして、外気に晒されつんと尖ったウルフウッドの乳首の先端をつついた。
「っ、あ、いきなり、やめぇ」
「僕の好きにしてもいいんでしょう?」
両手の指の腹を押し当てたまま、可愛らしく小首をかしげてみせるヴァッシュに、ウルフウッドはギリギリと奥歯を噛みしめる。
「さ、触るだけやど」
「もっと欲張ったお願いしとけば良かった」
くるくると指先を回すようにすると、暖かい人肌と冷たい義手の感触の差に喉がなる。
「……っあほ、言う、なぁッ」
ウルフウッドが話している途中に芯を持ち始めた乳首をきゅうっと摘まむ。ヴァッシュの親指と人差し指の腹に挟まれると完全に隠れてしまう小さな乳首を、柔らかな力でゆっくりと転がす。
「君こそ、ここだけで満足できる?」
「や、くそく……忘れんなや、……アッ、ん」
ウルフウッドの言葉を聞きながら指先の力を、じわりじわりと込めると語尾が甘く伸びる。ぎゅっと絞られていた眉はあっという間に解けている。
「約束? もちろんだよ、僕が今日触れて良いのは、可愛いここだけって話でしょ」
財布の中身の補填と今日の宿代の代わりにウルフウッドが差し出したのは【ヴァッシュの気の済むまでウルフウッドの乳首を触ることを許す権利】だった。
指先をすりあわせながら執拗に先端を捏ね回してから、引っ張る。しなやかで弾力のある乳輪がヴァッシュの指によって引かれ更に鮮やかに色づく。
「ひぁ、あほ……引っ張ん、……あっ、あっ」
ぴんと乳首が弾かれて指から離れると、耐えきれずにウルフウッドは体を大きく跳ねさせた。余韻に体はまだ震えている。
「ねぇ、本当にこれしかだめ? ちょっと僕、口寂しいんだけど……ねぇ」
今度は親指と中指で乳輪ごと根元をコリコリと刺激しながら、ぷっくりし始めた敏感な先端に人差し指の爪をあてがう。
「ひぅ、……ぐ、あか、ッ……ンっ」
駄目だと最後まで言わせてなるものかと、ヴァッシュは押し当てた爪でカリカリと擽った。
「舐めて、吸って、歯を立てられるの好きでしょ? してほしくない?」
甘えるようにヴァッシュが言うが、鋭い犬歯をカタカタと震わせながら、ウルフウッドは首を横に振る。
唇の端から耐えきれずに唾液が溢れ、つぅっと喉まで垂れている。ヴァッシュは思わず唇を舐め、俺を見つめる。
「んっん、……やや、あかん」
「もう、強情なんだから」
それならばと、ぎゅうっと力を込めて両方の乳首を潰すように力を込めると、ヴァッシュが顔を埋めているウルフウッドの腰も揺れ始める。
「んっ、う……ぐっ」
口元を手で隠すようにして、くぐもった声をあげ体が小刻みに痙攣し始めている。ウルフウッドが早くも達しそうな事はヴァッシュには手に取るようにわかった。
「もうイくの? おっぱいだけで?」
少し意地悪いヴァッシュの声音に、ウルフウッドは悔しそうに自らの手の甲に鋭い歯を立て目を閉じる。
ヴァッシュは指先で乳首をすりながら、ウルフウッドの表情を食い入るように見つめ、たまらず喉を鳴らした。
「はぁ、んっ、……ぅ、あァッ」
最後に優しく乳首全体を撫でてやると、ウルフウッドは堪えきれず掠れた鳴き声と共に下着の中に精を零した。
翌日。
「今日こそは、絶対わいが優勝や!」
「本当に君は懲りないな。君は優勝できないんだってば」
「今日こそ億万長者になったる」
「またスッカラカンになると思うなぁ」
「はん、今度は大丈夫や。情報屋のおっちゃんと仲良うなって、特別な情報買うたんや! 勝ち筋しか見えんわ!」
「あぁ、もう。マイナスのスタートじゃん……」
威勢良く言い放ったウルフウッドの握りしめた投票権が、ただの紙切れになるまで後数分。
今夜もおいしくいただかれる羽目になることを、まだ彼だけが知らなかった。