それはひどく穏やかで■ある日
放課後の長い日差しの差し込む図書館で、トレイはジェイドと肩を並べて課題に取り組んでいた。
学年が違えど課題は出るもので多忙の中でもやらないわけには行かず、またイマジネーションを求められる事の多い教科では自分以外の良い思考は刺激になる。寮や食堂では邪魔をされることも多いし、植物園ではそれぞれが気になる事が多すぎるが図書館ではそこまでではない。そんな理由をつけて二人はよくこうして図書館で放課後の時間を過ごしていた。
お互いのブレザー越しの体温は少し遠く、ここちよい。もともとそれぞれが没頭しやすい性質であるし、副寮長という立場からも成績は落とせないから、こうして並んでいる時は中々不埒な気分にはならなかった。
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