遙か東の空へ 1 神竜王リュールの治世。各国は神竜王リュールの元に団結し争いの片鱗もなく平和だった。ただ一つを除いて……。
それはイルシオン王国に根強く残る邪竜信仰の存在だった。邪教と呼ばれるほど強く根付いたその宗教を信じているものは少なくない数存在したのだ。
イルシオンの現国王ハイアシンスはそれを危険視していた。彼は国内に存在する邪教徒達の弾圧を進め、同時に軍事力を抑え他国から脅威と見なされないようにすることに注力していたのである。
彼の政策は功を成し、各国との結束も強くなり平穏が訪れたかに思えたのだが――――。
ハイアシンス王が突如崩御し、熱心な邪竜信仰の女王が即位した事で事態は悪化し始める。各国は女王の目論見を阻止すべく秘密裏に動き始めたのであった。
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