登録名称「アーティ-aspt-120」
通称「アーティ」
アーティは認識障害を引き起こし、対象者の正常な思考を奪い、精神汚染を引き起こさせる。
精神汚染してしまった対象者は、半永久的に幻覚、幻聴、妄想に囚われる者もいれば、機能的には問題ないのにも関わらず、錯語を口にして他者に何かを説こうとする者、意思疎通が全く取れない者、一見何の異常もないように見えるが思考が正常では無いと考えられるような発言をする者と様々。
記憶処理を施しても完治せず、共通してあるモノに執着していることが確認されている。
彼らは「カンテサンス文章」という存在しない資料を読むことを異様にすすめてくる。
「あれは素晴らしい。今でも内容が脳みそにこびりついている」と。
アーティはカンテサンス文章は実在する報告書であることを主張している。
現在、カンテサンス文章は未だに発見されておらず、アーティと「彼ら」の発言の元、捜索中。
アーティは対話を好み、不定期に話をしている相手へ認識障害を引き起こさせる。
これまで13人のプラント評議会の議員、7人のザフト兵が精神汚染を受けている。
全員社会復帰は不可能と判断され、精神疾患患者としてとある精神病院に隔離、監視の元生活をしている。
アーティは、「アーサー・トライン」を名乗っている個体である。
発見当初は人間の子供を模した姿をしており、年月の経過に合わせ形状を成人男性の姿へ変化させる。
ザフト軍入隊前は、プラント評議会の施設内…地下室にて生活をしていた。そのため、外への興味が強く、対話の相手にはプラント内の景色や宇宙、地球について質問してくることが多い。
地下室は常に監視カメラが起動されていて、監視室には2人の監視人を配置することが取り決められている。
監視中、監視人はアーティに話しかけられても返答をしてはいけない。2人のうち、どちらかが返答した場合は直ちにもう1人の監視人が制止をかけ、評議会へ報告を行う必要がある。
監視人は交代制で交代後は15分以内に記憶処理を受ける。
監視人には守秘義務が発生するため、アーティのことを口外してはいけない。口外した場合は、アーティより報告される。
アーティで実験する際は監視人を5人に増員。収容スペースに入れるのはアーティと対話をする被験者と実験中に異変を生じた時、被験者を室外へ引き摺り出す護衛の2名のみ。
最終的なアーティの実験、監視の指揮を取ったのはワルター・ド・ラメント。
アーティが人間で言う少年期にあたる外見であった時より交流をしている。
アーティは彼の事を「ワルターの博士さん」、「教授」、「司令」、「艦長」と複数の呼称で呼んでいることが確認されている。
アーティのザフト軍入隊はラメントが提案した。
発案時には反対意見が多かったが、アーティの特性を聞いた上層部が案を承認。
議長により収容場所をミネルバへ移行。
監視の目があれば艦の外へ出ることを許可される。
ミネルバ内での問題行動はゼロ。以降コンパスへの転属をラメントに推薦され、コンパスに所属。身柄はミレニアムへ。転属前の実験結果に基づき、活動範囲は艦内に制限される。
アーティに関する情報は議会が管理しており、機密文書として保管されている。
紙媒体で、若干黄ばみのある分厚く古い書類であり、保管場所を知るのはラメントのみ。内容はラメントも全て確認しておらず、複数の被験者が書いた報告書をまとめたものだと彼は話す。