あれからどれくらい経っただろう……飲めていたはずのブラックは苦手になって角砂糖を3つ入れているし興味無かった特撮も今では部屋の中にフィギュアやDVDが置かれている。今までの俺では絶対に考えられなかったと思う。あの人が全部俺を狂わせた、そう、俺の人生を狂わせたくせに、ずっと胸に溜まっていた重く黒い気持ちを伝える機会なんて与えられる隙も無く消えていったんだ守沢先輩は。 いつ、なんであの人が消えたか分かるわけないけど、俺が先輩に告白しようなんて思ったのが多分間違いだったんだ。守沢先輩の人生を狂わせようとした俺なんかが笑顔で幸せになることが、俺の人生にて最大の誤ちだった。
何も伝えてない俺が先輩の気持ちだけでも知りたかった、は我儘だよね。