梅雨の久しぶりの晴れ間。新緑のなだらかな斜面を登りながら、ローズマリーはふふっと思わず笑みを零した。
「どうしたの?」
前を歩くここねが不思議そうに振り向く。
「あ、ごめんなさい。2人がとっても楽しそうだから、可愛くて」
じゃれつきながらここねと手を繋いでいたパムパムはなんだか子供扱いされた気がして頬を赤くしながら口を尖らせた。
「そういうマリちゃんだって、昨日からずーーっと顔がニヤケてるパム」
「えぇ!?」
パムパムの仕返しにローズマリーは慌てて自身の顔に手を当てる。
ここねの前でだらけた顔をしていただろうか。そんなローズマリーの心配はよそに、ここねはふわりと花開くような笑顔を浮かべた。
「そうなんだ。私も2人と会えるの、楽しみにしていたから嬉しい」
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