泣かせない約束 「エスト!」
突然、エストの姿を見つけたルルはそのまま駆けていき…エストの手を握った。
「ルル!?」
「エストのおかげで本当に助かっちゃった!ありがとう!」
「…ああ、この間の。ということはあるべきところに収まったようですね、ルル。ビラール。」
「ええ」
「…まあな。」
「では、これは僕からの選別です。レーナ・アンブラー……ーー」
「っ!?」
エストが唱えた瞬間、私の体に重力がのしかかり私は立っていられなくなってしまう。
「ビラール!?」
「お灸ですよ、ルル。止めないでください」
「で、でも…っ」
「大丈夫だ、ルル…止めなくていい」
それでもルルの不安そうな顔は変わらず私は苦笑いを浮かべた。
「ラギに聞きました。まあ、ラギに聞かなくても分かることですか…ルルを泣かせ、悲しませたのだと。その理由がビラールなのだと」
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