上下押し合い問答玲王の携帯から、鋭い着信音が広い室内に響き渡った。
そして音に反応した凪が玲王の携帯を手元に引き寄せて、相手を確認したところ「父さん」とあったので急ぎなのであろうと判断した。
だから、凪は玲王のために携帯を風呂へ持って行っていた。そうして、全裸で髪の毛を拭いている玲王に手渡したのである。
「ノックはした方がいいぞ」
そう軽く凪に注意すると、クシャ!と美しい顔を少し歪ませて笑って受け取った携帯を振った。
そうして、ずっとなり続ける電話に心底面倒だといった顔をして応対をしたのだった。
そのまま玲王は、一言二言話すとそっと電話を切って近くにおいた。そんなあとのこと。
「あ、そうだ、凪。好きだ」
「え、ありがとう。俺も好きだよ」
「じゃあ、付き合うか。浮気するなよ」
「あ、あ…うん。」
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