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    ukai__inukawaii

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    ukai__inukawaii

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    お互いタチになりたかったngroが探り合う話
    上下押し合い問答
    支部にあげて非公開にしたものです。

    #ngro
    #凪玲

    上下押し合い問答玲王の携帯から、鋭い着信音が広い室内に響き渡った。
    
そして音に反応した凪が玲王の携帯を手元に引き寄せて、相手を確認したところ「父さん」とあったので急ぎなのであろうと判断した。
だから、凪は玲王のために携帯を風呂へ持って行っていた。そうして、全裸で髪の毛を拭いている玲王に手渡したのである。
    
「ノックはした方がいいぞ」
    
そう軽く凪に注意すると、クシャ!と美しい顔を少し歪ませて笑って受け取った携帯を振った。
そうして、ずっとなり続ける電話に心底面倒だといった顔をして応対をしたのだった。
そのまま玲王は、一言二言話すとそっと電話を切って近くにおいた。そんなあとのこと。
    
「あ、そうだ、凪。好きだ」
「え、ありがとう。俺も好きだよ」
「じゃあ、付き合うか。浮気するなよ」
「あ、あ…うん。」
    
それだけだった。何日空いてる?ぐらいの感覚で簡単なように言ってくるので、凪だってさっぱりと返事をしてしまった。そのまま、凪が理解した後も玲王はあまりにもあっさりしすぎて、滅多にどもったりしない凪がどもりながら返事をしたのを聞くと、玲王は顎で扉をさした。
    
「寒い。扉閉めてくれるか」
「わかった」

    そうして、玲王はタオルドライを一旦やめると、そっとパンツを履いていた。
    玲王はせっかちに見せかけて、案外自分の身支度だとかをするときの動きはゆっくりとしている。常に他人に意識してもらえる立場であったし、人の優先順位の一番上にいるからだ。
    だから、凪に見せたり、意識しているわけでもないくせに、長いあしにゆっくりパンツを滑らせ、セックスアピールのようにじっくり時間をかけて下着を履いたのだった。

    「う……おぉ……」
    
声が出た。感歎をそのまま息として出したような声と温度が吐き出す。視界に入っている玲王の動きはどうにも、ストリップだとかのように感じさせられるものだったから、凪は無性にドキドキした。
    そうしてただボォーっとしながら、服を着るというセックスシンボルとは無縁のものに視線を向けていた。

    「何?」
    「…………かっくいいね……れお」

    玲王は、大人になった凪が見ても随分と色男になっていた。滔々としとやかで気怠い色気を放つようになった玲王は、自覚的なのか無自覚はさておき人を煽るのが随分と上手になってしまっていた。
    玲王は、視線を向けられているなぁ。と思いながら、下着を履き終わった。
    鏡に反射して凪はゲームをしながら、チラチラとたまに玲王の方を伺っている。そうして、それを理解した玲王は「うーん。こいつなんだか可愛いじゃあねぇか。どう可愛がってやろうか」と考えた。
    なんといっても可愛いのだ。この凪という男は。大人になってからと言うもの、随分と可愛らしい男になってしまったというのが玲王の評価した凪だ。
    随分と愛した人に献身的で、愛と情熱を捧げる様がたまらなく、玲王にとってツボだった。おそらく、その感性は父譲りのものだろうと勝手に玲王は考えている。玲王も、そうして父も何があっても己を想っている人間というものにたまらなく弱かったのだ。愛くるしくて、かわゆくて健気でいじらしい。
    こんな生き物いるんだと無性に抱きしめたくなってしまう。
    そんな玲王が凪を性愛込みで好きと認識したのは、W杯で日本が優勝したその瞬間のことだ。玲王は、ピッチで凪に勢いよく飛びつき抱きしめた。そうして、汗をだくだくとかいた凪がそっと玲王を抱きしめ返したその時に自分の恋に気がついたのだ。
    玲王はその時の興奮、光景、瞬間を何回だって思い出すだろうと確信した。そうして、何歳になった凪のことだって何回だって抱きしめたくなるのだろうな。そう理解して、そうして。
    
「俺、凪が何歳になっても良いんだ。」
    
と驚いたのだ。だって、ずっと凪のことというより凪と過ごすサッカーの時間を愛しているのだと思っていたので。凪がおじいちゃんになってボールを蹴れなくてもいいのだと自覚する。そうして、その感情を玲王の合理に支配された賢い脳ミソは「恋ですね」と旗を振ったのである。
だから、凪が今よりももっともっと有名になる前にさっさと告白することにしたのだ。さっさと物にしよう、唾をつけよう、女にもモテるようにきっといずれはなるけれど、男に好意を向けられるのは初めてであろうという読みだ。
そうして、見事恋人ポジションをゴリ押しで勝ち取ったのだ。
    そんなわけで、凪と玲王は付き合い始めた。そうして、その生活は驚くほどに快適であった。なんの不安もない。少女漫画だとか特有の
    
「本当は好きじゃあないけれど、同情で付き合ってくれているんだ……そのうち終わる関係なんだ…」
    
的なことは驚くほど双方なかった。
特に、凪が驚いたのは、玲王がとてつもなくさっぱりしているタイプであることだった。勝手に、もっと一悶着あると踏んでいたので。先に千切あたりに頼ることになるであろうと思って連絡を取ってしまっていたので、拍子抜けだったし肩透かしを喰らった気分だった。
まさかの御影玲王、恋人になった瞬間めちゃくちゃアッサリになったのである。
不健全に近い友情が健全なレッテルを張ることで、まさかの進化を遂げたのである。正しくは己の感情が、恋愛というカテゴリであると理解したことで極めて玲王は冷静になったのだ。
    何せ初めてできた好きなことを一緒にやってくれる「宝物」は初めてばかりだけれど、その延長にある「恋人」は初めてではない。経験がある。それはもう、大層モテていた玲王の経験値と元来の合理で動く頭が初めて凪相手に機能したのだ。久しぶりに凪が関わっても玲王は完璧になったのである。
    
「で、だ。」
「うん」
「セックス。どっちがいい?」
    
そして今。二人は向き合っている。
180センチを超えた男二人が寝ても問題のないほどの大きなベッドの上で。そして、会話の主導権を握りたい玲王が切り出した。
    
「まず。俺はお前を抱きたい。」
「うん。俺も」
「………話し合いが必要だな」
    
以上。終わり。自己主張を双方した結果、衝突事故が起こったのである。
玲王は、分かりやすくやりにくいなぁと思っていたし、それが顔に出ていたので、凪に
「今、やりにくいなって思ったでしょう」
と指摘された時に
「うん」
と素直に頷いた。
    だって、玲王には凪を説得する材料がなかったのだ。強いて言えば身長差がある分デカい方が女がわをした方が体の負担が少ないぞ。ぐらいなものだ。だって、玲王はどうしたって凪とセックスしたかったので。変に話し合いが平行線を辿ってしまったとして、
    
「もう面倒だし、プラトニックでよくない?俺別にいいよ…」
    
とか言われたら、もう二度とセックスしたいなど言い出せなくなってしまう。一度、モーションかけておいて失敗など、玲王の雄としてのプライドが許せなかったのだ。あと、凪にめんどくさい方はやりたくないしな…みたいなテンションで玲王を女側に置かれるのは単純に嫌で抱く側を希望したのも大きかった。
そうして、二人は正座で向き合ったまま明日、もう一度話し合おうと決めたのだった。

    やっと、やっとだ。この日をずっと待っていたのだと凪は考えた。随分と長い間待てをしていた。
先ほどの話あいでも、そうして明日の話し合いであろうと凪の意志は全く変悪ことはない。絶対玲王を抱く。この話し合いにおいてのみ、凪はと言えば、「面倒だし、俺が抱かれる側でいいよ。でも準備はやってね」だとか、「もう、セックスなしの関係でよくない?」だとかを玲王にいうつもりはさらさらなかった。
絶対にセックスはするし、玲王を抱く側は譲れないし、プラトニックとかありえない。
なぜなら凪は遅い初恋を5年経てやっと成就させたからである。すごく大変だったのだ。この長さを簡潔に言えば人気アニメが映画化決定してそうして放映するまでぐらいだ。長い。めんどくさいを口癖のようにしてしまった凪が、初恋の成就に5年もかけた。というか、かけざるを得なかった。
だというのに。いざセックスになった瞬間後にひくとか絶対にありえない。
そう決めたので、ソファーにちょこんと座って両頬を引っ張って気合を入れたのだ。それを見て、リビングで書類を眺めていた玲王は
    
「かぁいいなそれ。たまにやってくれ、俺結構ツボ」
    
と言って、こしゃこしゃと凪の喉仏だとか鎖骨の間だとかを片手間に触って可愛がっている。いわゆるネコチャンのかわいがりというやつだ。その玲王の反応を見て、
    
「うにゃ」
    
と反応してから、凪はどうしても玲王って男はどこまでも強い「オス」だったのだろうなと考えた。
片思いをしていた時期に大いにモテた玲王はかなりの数の女性やら、男性やらと関係を持っていた。しかもその間ずっと「抱く」側を譲っていなかったということを凪は知っている。なぜなら玲王はなんだかんだと、凪を常に可愛がる男であったので酒を飲みながら、女やらの世話までしようとしていた。凪の童貞は、必死の抵抗によって守られていたのだ。
広い持ち家に、高い酒を傾けて、恋人を可愛がる。強い美人のおねーさんに乗っかられた時は、「俺のこと可愛がってくれんの?」と挑発的に言った後きちんと逆転までしてかわいがり。大層可愛い年下にしがみつかれれば、「あんまり煽られると優しくできなくなるなぁ」と、甘く責める。そんな経験豊富な男が玲王だった。
    
「玲王。いい?」
「ん?どうした」
「改めて言っておこうと思って。」
「フゥン。なぁに」
    
真面目顔をした凪を見て、玲王は書類をファイルに戻すと、視線だけでなく体ごと凪に向けて「ンー?」と反応しながら聞く体勢を整えた。それを見て、つられて姿勢をシャンと伸ばした凪は口をむぃ。とすぼめると、
    
「俺は、どうやっても玲王を抱きたい…です」
「ですて」
「俺の童貞欲しくない?」
「俺が最後に抱く男になりたくない?」
「ングゥ……それを言われるとぐうの音も出ない…」
「今出たぞ…ぐうの音。爆速で出た」
    
カウンターのように、最後になれることをちらつかせ、玲王は凪の耳たぶをやわやわと揉むのであった。感情的な口論では正論で凪が叩きのめすのだが、建設的な話し合いや交渉ごとにおいて凪は玲王に勝てると思えないのであった。それぐらい、玲王は相手を意のままに動かす力に長けていた。特に、年をとってからは余計にそれが顕著になった。
    
「れ、玲王の処女……欲しい」
「処女じゃあねぇぞ」
「え………」
「嘘だよ」
    
くすくす笑った玲王は、アッサリと騙されて、ショックを受けた凪を見てフゥーと息を吸ってゆっくりと吐いた。そうして、諦めたような一人で納得したような顔をして、

    「セックスできないぐらいなら、抱かれてもいいって思うのはマ、お前だけよな」
「じゃあ!!」

    玲王が折れたことに気がついた凪がパァ!と笑うと、玲王はふに、と指で凪を制したのだった。凪がドキドキしながら、続きを促すと玲王はひどく真剣な顔をして、そうして
    
「エッチ、なんか違うなってなっても俺のこと好きでいるって誓えよ」

    と凪に言ったのである。

    さて、どうしたもんかね。と玲王は目を閉じながら考えた。

    深夜のことだ。
    
隣では可愛くて仕方のない恋人である凪が、「すぴょすぴょ」と鼻息を立てながら寝ている。それを好ましく思いながらまろいほっぺただとか、ちいさく呼吸に合わせヒクヒク動いている鼻をつまんだりだとかつついたりとちょっかいを出す。
そうして、玲王はモゾモゾとシーツにくるまって動いた。
玲王は凪と付き合うまでずっと可愛がる側であった。常に何か「してやる」側であったし、雄として与える側であったのだ。そう生きてきたものだから、ベッドの中で凪に抱かれる自分というものがとんと見当もつかなかった。記憶を辿ってみると、玲王が今まで抱いてきた女やら男たちは随分とかわいい恋人たちであった。顔がどうとか、性格であるとかではない。ただ、玲王に向ける情だとか恥じらいであるとか、その手の可愛がってもらおうとする気概そのものが可愛らしくて、玲王だって楽しんで甘やかしていたのであった。
そんな過去の恋人たちを振り返れば振り返るほど、玲王の中で一つの結論が出る。
    
「……」
    
これ、俺がかわいこぶってもダメじゃあないか?「俺のこと可愛がって♡」なんて、口が裂けても言えない。尿路結石になったとしても嫌。というか、この俺が誰かに甘えるなんざ似合わねぇ、かっこ悪い、あとなんか理想の俺にかけ離れてねぇか?これに限る。
    急に不安になったので、玲王は勢いで起き上がってしまった。

    「なに…?」
「ンー……大丈夫…寝てていいよ」

    そう言って、起き上がった玲王に釣られて目が覚めた凪をもう一度ぽんぽんと寝かしつけた。
キッチンにいき、浄水器を使って水を飲む。
    そうして、玲王はずっと「アー」だの「ンー」だとか言いながら、ずっと凪とのセックスについて考えて、そうして結論が出ないままもう一度凪の隣に滑り込んだのであった。
















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