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    kirikoff14

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    kirikoff14

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    パンデモニウム天獄編ネタバレ。とりあえず吐き出したい

    てんごく 終末が訪れた。
     おぞましい異形たちはエルピスにも現れ、人々は混乱に陥っている。そしてその手はパンデモニウムにまで近づいていることをエリクトニオスは気づいていた。ときどき駆け込んでくる人たちの訴えを聞くたびに、ある友人がしたであろう様を真似てパンデモニウムを飛び出しそうになったが、自分はここの獄卒である。ここを守ることが使命であれば飛び出すことなどできない。ここを離れ危険な生命までもが世に放たれてしまえば終末を加速させるだけである。
     だから、エリクトニオスは探した。エルピスに、パンデモニウムに危機が迫っているのであれば、あの友人なら駆けつけてくれるのではないかと。ラハブレアもエリディブスも、ときどき声は届けてくれるものの、より広い星を守らなければならない彼らはパンデモニウムに現れないことはわかっている。それが彼らの使命だ。
     けれど、彼女なら。
     そう思って交代のたびにエルピスを探して回ったけれど彼女はいない。
     落胆はしない。おおかた、彼女のことだから目の前の人を助けに駆け回り、こちらまで辿り着けないのだろう。それが彼女の使命だ。
     ならば自分もその使命を果たそう。
     記憶を封じ込め、ふう、とエリクトニオスは息を吐いて天を見上げた。
     終末の爪が、パンデモニウムに触れた。
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