介護CMからの妄想「退院した後も大変だと思うんです。僕が悪いしお手伝いしにいきます。」
イルーゾォはその申し出を辞退した。
フーゴはまだ16歳。そんなことに時間を費やす暇などないはずだ。今話題のヤングケアラーになってしまう。
「そんな…でも僕イルーゾォさんのことが好きになっちゃったんです。だから…受け入れて下さい。お願いします。」
俺は信じられない思いでフーゴを見た。フーゴは俯いて照れている。からかっているとかではないのか。俺が何も言わないでいると不安に思ったのかフーゴは続けて言った
「すみません、急に迷惑ですよね!忘れて下さい。」
「あぁ…別に迷惑じゃない。驚いただけだ。うん、じゃあ今度来いよ。とりあえず今日は帰るから。またな。」
俺は足早にその場を去った。
きっとフーゴの照れが伝染して顔が赤くなっているはずだ。
後ろで何か言っている気がするが俺は振り返る余裕はなかった。