茨の腕に囚われるスペインのレ・アールとドイツのバスタード・ミュンヘンの国際交流試合。国際Aマッチとも国際親善試合ともまた違うものだ。国内リーグも大事なものではあるが、内側にばかり目を向けていては世界に置いて行かれる。それがイングランドに起こったとある悲劇でもあり、一定は他国との親善試合や交流試合が公式的に推奨されるようになった。
カイザーが行きたくもないスペインの地を踏んだのはこの試合が組まれたせいである。スペインという国が嫌い、ではなく単純にアウェー試合が得意ではない。勝っても負けてもブーイング。ドイツもそうであるが、スペインもまたサッカーが熱狂的に国民から愛されているスポーツである。
数年前、スペインチームのサポーターからトマトを投げつけられてからトラウマのようなものだ。面倒で、鬱陶しくて仕方がない。今回だって遠征代表に選ばれないように手を抜いたというのに、それがバレて逆に抜擢されてしまった。アルミでも噛んだ顔をすれば、同情するようにネスから背を撫でられたのは記憶に新しい。
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