「あ」
「ん?どうしました」
「この桃のドリンク、昨日アンが飲みたいって騒いでたやつだ」
「ああ、季節限定のものですか。すっかり夏ですねぇ」
「あいつ、ダイエットしてるとか言ってたのに……」
「たまにはご褒美だって必要でしょう。ある一定のラインまで到達すれば……と制限をかけたらブーストにもなり得ますし」
「そういうものか?」
「そういうものです。それに、何事にも息抜きや休息は大切ですよ」
「それはそうだけどさ……」
「それで」
「うん?」
「アレンも気になるんですか?それ」
「……なんで?」
「アンが気になると話をしている食べ物や飲み物は、大体いつもアナタも気になってるでしょう?」
「そんなに高頻度ではないと思うけどな……」
「二人でよく食べてるじゃないですか。ボクを仲間はずれにして」
「いや、聞いてもおまえがいらないって言うからだろ……」
「これからはボクも食べたくなるものにしてください」
「難しい要求された」
「さて。歩き回っていたことですし、すこし涼んで行きますか?」
「んー……でも、アンに悪いような」
「飲んだ上でしっかりと感想を伝えてあげて、アンが一定のラインまで身体を絞れたご褒美として飲めるように協力してあげればいいんじゃないですか」
「確かに……じゃあ今日は二人で飲んで、今度また三人で飲みに来るか!」
「そうしましょう。アレン、席を取っておいてください。アナタ、ここで注文するの苦手でしょう」
「カスタマイズしなかったら大丈夫だよ!おまえもアンも呪文みたいにカスタマイズしようとするから大変なんだよ!」