こうして、ささやかなホームパーティーを開いてもらうのはもう何度目のことだろう。欲望が渦巻く策略や吐き気がするような媚やくだらない見栄で塗り固めた息苦しい豪奢なパーティーなどより何百倍も嬉しいと思えるパーティーだ。いや、比べるのも失礼な話だろう。
「夏準は今日は何もしなくていいから!」と言うふたりはまだ明るいうちからボクのためにパーティーの準備をしてくれていた。アレンがボクの家で一緒に暮らし始めた頃、わざわざボクの出生を祝ってくれなくていい、とやんわり伝えたら怒られたものだ。あれからそう、長い月日が経ったわけではないのに、いつの間にかこうやって心を込めて祝ってもらうということがボクの中でも当たり前、になりつつあるのが怖いと思う。永遠などというものはないのだ。いつかアンは、もしかしたらアレンも、ここから出て行って他の誰かと暮らすのだろう。
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