性癖パネル④ DTの攻め(無印軸♀)キラは女性としての自覚が圧倒的に足りていない、とアスランは漏れそうになる溜息をどうにか飲み込んで、無機質な白い天井をぼんやりと眺めている。目指す世界の違いからザフトを離反し元は敵艦であったアークエンジェルに合流したアスランは、割り当てられた部屋のベッドに体を横たえたままそのあまりの居心地の悪さに身動ぎ一つ取れないでいた。おかしい、これは俺のベッドなのに、と壁側に追いやられ体の左半分を壁に押し付けるような体勢に嘆いてみても状況に変化がみられるわけではない。それもこれも然も当然といった顔で部屋に押しかけ、ただでさえ狭いベッドの半分を占拠している幼馴染のせいでしかないのだが、睨みつけようにもその当人があまりに無防備な状態で隣にいるのでアスランは一切の抵抗を封じられているのだ。うっかり視線でも向けようものなら半袖のティーシャツの襟ぐりから何が見えるだとか、ショートパンツからすらりと伸びる何が見えるだとか、視界に入れるのも憚られる生身があるのだから仕方ない。その刺激の強さに目を背けるしかないアスランは、いくら幼馴染といえど紛うことなき女性の体に対する耐性を全くと言っていい程持ち合わせていなかった。
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