「え、トレイくんまだデュースちゃんとシテないの!?」
「わー、ケイト、声が大きい!」
「あ、ゴメンゴメン。えーでも二人ってオレらより付き合うの早かったよね?」
「あーまぁそれはそうだけど」
「え……トレイくんって……ふn」
「それ以上は言うなよ? 違うからな?」
「じゃあデュースちゃんが拒否ってるとか?」
「そうゆう雰囲気になったことがないわけじゃないんだが……デュースが全く乗り気じゃなさそうでな、なんだかんだ理由をつけてかわされてしまうんだ」
「まあ最初は怖いだろうし緊張するよね、エースちゃんもけーくんにしてはずいぶん段階踏んだしー」
「……」
「トレイくん?」
「デュースは初めてじゃないと思う」
「え、うそ。それほんと?」
「多分だけどな。なんていうか、キスなんかは凄く慣れてる感じがする」
「えー意外ー、デュースちゃんやるー」
「ま、下手だけどな。でも馴れないことを必死に頑張ってるって感じじゃない」
「んー、それってトレイくん的にはどうなの? やっぱ初めての方がいい?」
「そりゃあ初めてだったら嬉しいとは思うさ、自分以外のやつがデュースに触れてたって考えるだけで嫉妬で頭が焼ききれそうだよ。でも、だからってデュースへの想いが変わるなんてことはない」
「まあトレイくんだって2年間そこそこ遊んできたわけだし、人のことは言えないよねー」
「おいおい、人聞きの悪いこと言うなよ。俺はその都度真剣だったさ、ケイトと違って」
「真剣な人はたった3日で関係持った相手と1週間で別れたりしないと思う」
「あ、あれは! ……相手だって本気じゃなかったから」
「トレイくん、語るに落ちてるよー。えー、でもそれなら何でデュースちゃんはトレイくんのこと拒否ってるんだろ?」
「……恋人だって思ってたのは俺だけで、デュースにとって俺はそうゆう対象じゃないのかもしれないな」
「いやキスを嫌がってないならそこは大丈夫でしょ」
─
「っていう話をトレイくんとしてたんだけどー……エースちゃんなにか心当たりある?」