(にいさんはどこに行ったんだ?)
トーマが訓練室を覗くとそこにはハーマンがいて、シュバルツの上着と思われものがイスに掛けてあるが肝心の本人は見当たらない。
「ハーマン大佐、シュバルツ大佐を見かけませんでした?」
「…私ならここだが?」
「にいさん?!」
ハーマンの後ろからひょっこりと出てきた兄シュバルツに驚いて声が裏返ってしまったのは仕方のないことだろう。すっぽりと、と言ってしまっては失礼かもしれないがハーマンの身体で隠れてしまっていたのだから。
「ぶふっ、…いてっ」
「で、なんの用だ?シュバルツ中尉」
ハーマンはシュバルツから脇腹に手刀を喰らったのか痛そうに摩っている。兄の存在に気づくことが出来なかった己のせいで、とほんの少しだけ悪い気もしたが余計な言葉は紡がないに限る。ハーマンの姿は数分後の己かもしれないのだから…
(……仲がよいようでなによりです。)
心の中で少し侘びて、確認事項だけ訊いて部屋をあとにした。兄が自分以外の誰かと交流を持っていることに少しのもの寂しさも感じながら
※嵩張る上着を脱いでいた為すっぽりとハーマンの後ろに収まっていた
笑いを堪えるハーマン(もちろん脇腹を手刀で刺される)
最近身体が鈍ってかなわんな…と言う会話からたまには近接戦闘訓練なんてどうです?(勿論個人的な)という流れから戯れに訓練室でじゃれてた大佐's