F 秋晴れの空の下で三井が大好物の唐揚げに噛り付こうとしたまさにそのとき、屋上のドアがギイッと音を立てて開かれた。そこから顔を覗かせたのは同じバスケ部の一年後輩の宮城で、三井の顔を見て「あ、いたいた」と近付いてくるも、三井の隣に座っている男に気付くと驚きの表情を浮かべる。
「え、一緒に飯食ってたの?」
宮城の言葉にもぐもぐと咀嚼をしながら頷く。三井の隣に座って同じように弁当を掻き込んでいるのは二学年下の流川だ。同じバスケ部でそれなりに仲が良い先輩と後輩といえど、わざわざ屋上に来て一緒に弁当を食べている姿というのは確かに不思議な光景だろう。宮城とだってそれなりに仲は良いが、部活以外でつるむかといったらそうでもない。
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