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    kurui_usagi39

    @kurui_usagi39

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    kurui_usagi39

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    ケイキュッ!!!!!!(鳴き声)
    きちんと段階を踏む(ただし二段飛び)って感じの景穹です

    獅子の歩み「君を抱きしめてもいいだろうか?」

    この頃羅浮を訪れる度に招かれるようになった茶会。
    なんてことはない、景元が仙舟の外の情勢を詳しく知る為、それと単純な好奇心故に天外を旅する穹の話を聞きたがって設けられた席。
    いつも決まった茶屋の決まった個室で開かれる、二人きりの茶会だ。
    茶を飲んで、菓子を食べて、お喋りして、ばいばいまたな。
    そう繰り返してきた"いつも通り"が、今日景元によって崩された。
    もう少ししたらお開きだろうかという頃合いで、この突然の問い掛け。
    この食えない長命の将軍に中々気に入られている自覚はあったが、まさか抱擁を求められるとは予想しておらず、穹はただただ戸惑う。

    「えーっと…一応理由を聞いてもいい?」

    「そうしたいと思ったから、だな。」

    「その、出来ればそうしたいと思った理由を…人肌恋しいとか、そういう?」

    「ふむ…中らずと雖も遠からず、といった所か」

    なんだか曖昧、というかはぐらかされているような。
    何か企んでいるのでは、と疑いの目を向ける穹に、景元はどこか寂しげに微笑み『君が嫌なら無理強いはしない』と告げる。
    その様子がまるでしょんぼりと耳を下げた犬猫のように見えて、穹は胸が苦しくなった。
    景元は雲騎軍を率い、羅浮を治める将軍という立場にあるのだ。
    急にこんな事を言い出すくらい、疲れているのかもしれない。
    そこに来て目の前に居るのが銀河を旅する開拓者にして誰もが振り返るビッグスター、そして美少女である自分。
    こんな自分を抱きしめれば、それはそれは絶大な癒し効果が見込めるだろう。
    仕方がない、と穹は肩を竦めながら『いいよ』と両手を広げた。

    「本当にいいのかい?」

    「開拓者に二言はない!存分にハグしてくれ」

    「…では、遠慮なく」

    そう言って、景元は穹を抱き寄せた。
    景元の服装は普段と違い軽装なのだが、そのせいか身体の筋肉や熱がよく伝わってくる。
    固い胸板に、ふわりと漂うお香の匂い。
    抱きしめながらも大きな手のひらが頭を優しく撫でて、穹は不覚にもドキドキしてしまった。
    …これ、女の子がされたらイチコロなんだろうな。

    「……うん、ありがとう。良い時間を過ごせた」

    五分程経って、穹の身体は開放された。
    ドキドキが落ち着いてからは眠くなってしまいそうなくらい心地の好い温もりに浸っていた為、ほんの少し離れがたさを覚える。
    互いのスケジュールだとか、男としての矜恃だとかを考えれば、『もうちょっと』なんてねだる訳にはいかないが。

    「癒された?」

    「とても。これからもお願いしていいかな」

    「うーん…まぁ、いいか」

    景元だしな、と呟いたのはほぼ無意識。
    不思議な話だが、そう思ったのだ。
    他の人なら考えたかもしれないが、景元ならまぁ…いいかな、と。
    そんな自分の思考を特には気にせず、穹は『それじゃあまた』と別れを告げて個室を出る。
    景元はどうにも読めない笑みを湛えながら、手を振って見送ってくれた。



    それからというもの、景元は茶会の終わり際に必ず穹を抱きしめるようになった。
    始めはほんの少しの羞恥心や、抱かれた時の感覚がやみつきになってしまいそうという不安を抱いていた穹だが、人間何度も繰り返すと自然に慣れていくもので。
    茶会の終わり際だったのが半ばからになり、景元の腕の中で茶を飲み語らうことが"いつも通り"になってきた頃、再びその"いつも通り"が景元によって崩される。

    「口付けてもいいかな?」

    不意打ちの問い掛けに、飲んでいた茶を噎せた。
    げほげほ、と咳き込む穹の背中を、景元はゆっくりとさすってくれる。
    その手つきがあまりに優しいものだから、今さっきの発言は聞き間違えかと穹は思った。
    そして咳が落ち着いたからと考え無しに顔を上げ、景元の顔と今にも鼻先が触れそうな距離になる。
    景元の表情は、柔らかかった。
    けれど…目が。

    「穹」

    大きな手が穹の頬を包み、固定する。
    目を逸らすことは許さない、と言われた気がした。
    呼吸が僅かに浅くなり、はくりと口を動かす。

    「なん、で…」

    「そうしたいと、思ったから。…君が嫌だと言うのなら、しない」

    嫌だと言うのなら。
    そう言われても、困る。
    だって、嫌じゃない。
    分かっているのだ、今これを受け入れたら、きっと決定的に戻れなくなる。
    もう、歳の離れた友人だなんて言えなくなる。
    分かっているのに、口から出た言葉は。

    「……いいよ」

    思ったより、掠れた声が出た。
    穹を真っ直ぐに見つめる金色の瞳が、スッと細められる。
    大きな手は穹の頬を撫でて、指先で唇をなぞり、そして顎を掬う。
    見つめ合ったままゆっくりと距離が縮まり、そして────
    影が、重なった。



    抱きしめるのと同じように、口付けもまた二人の茶会の"いつも通り"になっていく。
    初めて口付けした次の茶会では流石の穹も緊張し、景元に近付くのも躊躇ったのだが…

    「おいで」

    そう言って両手を広げて微笑まれるとどうにも抗えず、結局景元の腕の中へ収まった。
    温もりに包まれるのが心地好くて、頭を撫でられると嬉しくなって、気が付くと唇を重ねていて。
    小鳥が啄むように何度も落とされる触れるだけの口付けが、たまらなく気持ちいい。
    そんな触れ合いが"いつも通り"になった頃。
    ここまで来るともう、穹も理解していた。
    そろそろまた、景元によって崩されるのだろうと。

    「ん…ふ、ぅ…は、ふ…ン…」

    ちゅ、ちゅ、と何度も口付けを繰り返す。
    今日はいつもより少し激しいな、と穹はぼんやり考えていた。
    そしてふと、口付けが止んだ。

    「…や、…けいげん…」

    蕩けた頭でもっと、もっとして、とねだるように自分から顔を近付ける。
    そんな穹の唇を、景元の指がそっと押さえた。
    初めて口付けた日と、同じ目で。

    「きちんと言葉で、ねだってごらん」

    「言葉でって…でも、その」

    「言ってくれなくては、君が望んでいるかどうか分からないだろう」

    「っ、うそつき…!分かってるくせに、全部分かってるくせに…!」

    『分からないよ』などとうそぶく微笑みが憎らしい。
    そのくせじっと穹を見つめて離さない、熱の滲んだ瞳が愛おしい。
    焦らされて、羞恥も理性も緩んで、穹はついに『もっとキスして』と縋ってしまった。
    その途端、優しくてちょっと意地の悪い大人が、獰猛な獣に様変わりする。

    「ん、ぅ…♡、?んぁ、あむ…ッう…!?ン、ふぅッ♡ンーーーッ!♡」

    初めて、舌を絡め取られた。
    厚い舌が穹の口内を蹂躙し、ぐちゅぐちゅといやらしい水音を立てる。
    呼吸もままならず涙がこぼれ落ちた辺りで、銀糸を引きながら唇が離れていく。
    はふ、と肩で息をする穹を景元は軽く抱き上げ、この個室にずっと存在しながらも今まで開けた事がなかった襖を開ける。
    抵抗する間もないままその襖の向こうへ…綺麗に整えられたベッドの上へ。
    …口付けをするようになってから、この部屋に在る物はなんとなく予想出来ていた。

    「穹」

    飢えた獅子が覆いかぶさってくる。
    ご馳走を前にして、涎を垂らした獅子が。

    「…いいかい?」

    ちゅ、ちゅ、と今さら額や頬に優しく口付けて、『嫌ならそう言ってくれ』とまでのたまう。
    ここまできてずるい、と責めたくなった。
    今思えばこれまでも、景元は頑なに穹に選択させてきたのだ。
    ずるい、ずるい、こんなの。
    我慢してるくせに。本当は、今すぐ食らいつきたくて仕方ないくせに。
    そんな本音を、ずっと目でぶつけてきておいて。

    「…景元」

    ずるい人。でも、好きな人。

    「いいよ」

    あんたになら、いくらでも食い荒らされて、いい。
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    gohan_oic_chan

    PAST行マリ
    卒業後同棲設定
    なんか色々最悪です
    証明 朝日を浴びた埃がチカチカと光りながら喜ぶように宙に舞うさまを、彼はじっと見つめていた。朝、目が覚めてから暫くの間、掛け布団の端を掴み、抱きしめるような体勢のまま動かずに、アラームが鳴り始めるのを待っていた。
     ティリリリ、ティリリリ、と弱弱しい音と共に、スマートホンが振動し始める。ゆっくりと手だけを布団の中から伸ばし、アラームを止める。何度か吸って吐いてを繰り返してから、俄かに体を起こす。よしっ、と勢いをつけて発した声は掠れており、埃の隙間を縫うように霧散していった。
     廊下に出る。シンクの中に溜まった食器の中、割りばしや冷凍食品も入り混じっているのを見つけると、つまみあげ、近くに落ちていたビニール袋に入れていく。それからトースターの中で黒くなったまま放置されていた食パンを、軽く手を洗ってから取り出して、直接口に咥えた。リビングに入ると、ウォーターサーバーが三台と、開いた形跡のない数社分の新聞紙、それから積み上げられたままの洗濯物に囲まれたまま、電気もつけずに彼女はペンを走らせていた。小さく折り曲げられた背が、猫を思わせるしなやかな曲線を描いていた。
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