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    negitama_mata

    @negitama_mata

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    negitama_mata

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    dm♂sd♀、おしゃど専属セーフティーサービスのダの短いお話。

     カービィの思いつきには、いつも驚かされる。ピクニックの敷物を木に結んでトランポリンを作るなど、自分では絶対に思いつけないだろうな、とメタナイトは思った。
     器用なバンダナワドルディが調整してくれたおかげで、トランポリンはとても高くまで跳ぶことができるものになった。
     カービィとシャドーは大喜びで、落ちる度に歓声をあげては笑いあっている。
     子供っぽいと馬鹿にしていた大王は、着地の時の角度で予想外の跳ね方をすることに気がついてから、あれやこれやと試すことに夢中になっている。彼はトランポリンに乗ってから、まだ一度も地に足をつけていない。
     メタナイトも数回試してみたのだが、早々に下りてしまった。そこそこしか楽しめない自分よりも、遊ぶのが得意な友人達に譲った方が有意義だと思ったからだ。今は彼らを眺めながら、芝生の上でピクニックバスケットの見張りをしている。
     このピクニックをするにあたって、バンダナワドルディはたいそう立派なバスケットをこさえてくれた。フルーツのサンドウィッチや甘いパイやクッキーをたくさん詰めたものを。
     バンダナワドルディの作るお菓子は非常に美味しい。野に住んでいる小動物たちが、その美味しさを嗅ぎつけるほどだ。ピクニックが始まってから、草木に紛れてこちらの様子を伺う獣が何匹もいた。
     バスケットの中身を最も楽しみにしているメタナイトとしては、傍を離れるわけにはいかなかった。
     トランポリンからはひっきりなしに歓声が聞こえる。
     遊びにかまけて時間を忘れる仲間達に待たされるのは慣れている。みなが満足し終えたら、次は自分が満足するまでつきあってもらえばいい。
     とはいえ、暇か否かと二択で聞かれたら、暇だと答えざるを得ない。
     一応、この暇の時間を共に過ごしている者はいるのだが、あの男とは今の状況をわかちあうことはできないだろう。
     メタナイトは視線を横にずらした。
     バスケットを挟んで反対側、遠くはないが決して近くはない位置で、ダークが居眠りをしていた。
     カービィがシャドーを誘った際、せっかくだからと半ば強引に引っ張って来たらしい。非常に珍しい招待客に、メタナイトは大いに驚いた。
     彼は本当に渋々来ただけのようで、自分の居場所を決めると根が生えたように動かなかった。最初こそ、遊ぶシャドーを眩しいものでも見るような目で眺めていたが、いざ自身が誘われると首を横に振り続けた。そして、メタナイトが気がついた時にはこうして眠りこけていたのだった。
     楽しもうという姿勢を欠片も見せないダークに、メタナイトは小さくため息を吐いた。
     待ちぼうけになっているメタナイトの目の前で、飛び上がった大王が体勢を崩した。立て直せないまま、敷物に斜めに着地する。他の三人は大王を避けようとして慌てて体の向きを変えながら少し遅れて着地し、結果、全員が妙な角度で空中に弾き出された。このままでは、地面の上に落ちるだろう。
     わあ! きゃあ! と、今までとは少し毛色の違う声があがる。
     メタナイトは不意のことに驚いた。が、あまり心配はしなかった。
     なにせ全員、空を飛べるのである。もっと高いところから地面に落ちたことだってある。それに彼らは失敗の楽しみ方もよく心得ているのだ。地べたに落ちたとしても、ぽよんとバウンドしてから起き上がって、失敗しちゃったね、とまた笑いだすことだろう。大王だけは、失敗を隠したくて憤慨するかもしれないが。
     メタナイトは静観を判断し、そのまま動かなかった。
     だが、その反対に、ダークは勢いよく飛び出していった。黒い影が電光石火の速さでトランポリンの方へと向かって行く。
     メタナイトが呆気にとられているうちに、大王がどしんとお尻から落ちた。痛みでもんどりうっている。バンダナワドルディは地面で一度とんぼ返りをして衝撃を減らし、綺麗に着地してみせた。カービィは体を膨らませて、空中にぷかぷかと浮いている。
     そして、シャドーも同じく空にいた。トランポリンの上で羽ばたくダークに抱えられている。
     その場のみながダークの行動にぽかんと口を開けていた。
     彼は、誰がどう見たって寝ていた。平時でも無意識に他人の動向に気を配ってしまうメタナイトから見ても、確実に寝ていた。
     シャドーの悲鳴を聞いて覚醒したのだろうが、それにしても恐るべき反応速度だ。
    「ダーク……?」
     助けられたシャドー自身も驚いている。
     ダークはシャドーを抱えたまま、ゆっくりと地面に下りた。シャドーを解放し、頭をぽんとひと撫でする。
    「あ、ありがとう……」
    「ん」
     ダークは頷くと、何事もなかったかのように元の場所に戻って座り込んでしまった。また寝る態勢をとりかけて、思い出したように周囲の者たちに向かって言った。
    「気をつけろよ」
     そしてそのまま目を閉じ、置物のように動かなくなる。
     全員が何も言えないでいる中、カービィが空気を吐き出して軽やかに着地した。からかうような目つきで、ちょいちょい、とシャドーをつつく。
    「ダーク、相変わらずシャドーのこと大好きだね」
    「え……!? あ、えと、そう、かも」
     シャドーは照れながら、控えめにぽそぽそと返事をした。
     実際、その通りだ。ダークにとってのシャドーが特別であることは、当たり前のこととして知られている。ダークという男は、何事にも無関心のように振舞っているが、シャドーのこととなると本当に突拍子もないことをする。
     バンダナワドルディははっとして、自分の君主に駆け寄りに行った。肝心の君主は、遅れてやってきた痛みにと失敗した気まずさでぶつくさ言っている。
     メタナイトはやれやれ、と思いながら、自分も大王に手を貸すために立ち上がった。
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