支配者の矜持。(クロパパ)──子ども達が寝静まる深夜。
本日もホテル二階のバーにて。クロックマスターとミイラ父ちゃんはいつもの様に、晩酌を共にしていた。酒の肴は決まって、日々成長する子ども達の話題だったり、ホテルのゲストについてだったりする。…ただ今日という日は、二人はいつもと少し違う話題で盛り上がっていた。
「この間のクリスマスは、楽しかったですなぁ……」
「あぁ…アレは珍しく良かったな……」
クロックマスターの持つロックグラスが、カラリと音を立てる。飲んでいるのはブランデーのロック。隣ではミイラ父ちゃんがうっとりと、シャンパングラスを傾けていた。程よく酔いが回り始めた二人は、先日あったホテルでのイベントに、想いを馳せていた。中庭で輝くクリスマスイルミネーションは、未だ二人の記憶の中で鮮明に瞬いている。
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