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    ЯАΜА

    オリケロの落書き載せてます

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    ЯАΜА

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    ボカロの『心做し』から少し前に思いつきと勢いで書いてしまった小説。

    隊長以外のケロロ小隊が死んでしまいます。いわゆる死ネタです。
    そして最後に「父さん」と呼ぶ小さい子がいます。
    ご注意ください。

    拙い頭で考えているので、めちゃくちゃな文構成をしている部分があります。
    『心做し』を聞きながら読んでもらえるとわかりやすいかもしれないです。

    心做し我輩のこの『ケロンスター』。
    もしも全て投げ捨てられたら。
    笑って生きることが楽になるでありますか。

    そう、隊長は、軍曹さんは言った。

    隊長のためなら、なんでも望みを叶える。
    俺は永遠さえも殺してみせる。
    僕は下っ端だけど、軍曹さんのためにできることをなんでもするですぅ。



    「言わないでよ、また胸が痛くなるでありましょう?」











    もしも、全て忘れられたら。
    泣かないで生きることも楽になるでありますか。

    そうケロロは、隊長殿は言った。

    お前が望むなら、全て捨てて忘れて。
    ケロロくんのためなら、欲しい情報を、君の敵を殺してみせる。


    「お前らに出来ないデショ。そんなこと、言うなであります」






    ケロロに、隊長に、ケロロくんに、軍曹さんに、どれだけ近づいても。
    俺たちの心臓は一つだけだ。


    なんだよそれ、酷い。酷すぎる。彼が何をしたって言うんだ。
    いっその事俺らの身体を、壊して、引き裂いて、お前の好きなようにしてくれ。
    そう叫んだって、藻掻いたって、泣いたって、お前は、アンタは、君は、僕たちの事を抱きしめて離してくれない。












    「我輩の願いー?そーだなぁ、」
    そう続けてポツリ、と言ったのは。

    みんなと同じものが欲しいであります。

    「でも、我輩にはそんなものはないでありますから…
    だからせめて、アンタらが生きている間、我輩に会いに来て欲しいであります」

    そう言って、また趣味に興じ始めた。






    ________________







    『引くであります、タママ二等兵!!!』

    ぼくの、大好きな軍曹さん。
    あなたを守るためなら僕は、僕は!

    『ダメですぅ』

    『タママ二等!!!』

    一緒に逃げたい。でも、逃げたら2人とも捕まってしまう。どうすればいい、どうすればいい!


    …僕が、軍曹さんのしんがりとして残るしかない。


    『早く行くです軍曹さん』

    敵を正面に見据える。僕が、軍曹さんを守る。

    『タママ1人であの数は無理であります。我輩も…』

    『軍曹さん!!!』

    大好きな軍曹さん、声を荒らげちゃってごめんなさい。
    でも、でも!軍曹さんを失う方が僕はずっと辛いですぅ。

    『僕からのお願いですぅ。早く、行って』

    会えるのは最期かもしれない。でも守れるのなら本望だ。
    だって、これからだって、いつだって逢えるから。
    ずっとずっと、見守れるから。

    『軍曹さん、僕、軍曹さんが大好きですぅ!』

    敵に向かって走り出す。
    視界がぼやけてるなんて、知らない!










    『クルル?!応答するであります!クルル!!』

    すまねぇな、隊長。
    非戦闘員の俺にはコイツらを相手に肉弾戦も銃撃戦も無理だ。

    周囲の機器を破壊され、唯一残ったのは隊長の声が聞こえるこの通信機だけ。
    不可能を可能にする天才の俺様だって、ここまでやられりゃ手も足も出ない。

    ここを突破されれば、隊長に被害が及ぶ。死ぬ確率が上がる。クローンに入れ替えられてしまう。

    そんなこと、させてたまるものか。
    少なくとも、この俺が生きている間は!

    『くくっ…隊長』

    『クルル!!そっちの現状は?!』

    『敵から隙間をつつかれた。俺としたことが、前代未聞の大ピンチだぜぇ

    …来るんじゃねぇ、アンタのとこと真逆だ。今から来ても間に合わねぇ。……悪ぃな』

    『クルル?クルルッ!!!』

    隊長を守る為ならばこの命、惜しくもなんともない。
    でもまぁ、本音を言うと生きてぇし、あの人が作り出すこれからのもの全て、アンタの隣で見られないのが後悔だな。

    『たいちょ〜、アンタと出会えて俺様、嬉しかったぜぇ?



    ……じゃあな、生きろよ』

    『ッ!!待つであります!!!
    アンタがいないと、我輩が楽しくないでしょうが!!
    やめろっつってんだよ!!!上官命令なんだから聞けよ!!!』

    プツッと通信を切る。
    こんなものまで用意してるなんて、さっすがオレ様。
    ここから先には行かせねぇ。
    オレ様諸共、吹き飛んじまいなぁ…ポチッと〜!



    アンタは、最高の悪友で、俺の、唯一の隊長だ。










    『おい!しっかりするであります!ドロロ!!』

    ケロロくんの声が聞こえる。
    嗚呼…生きてる、彼は生きてる!
    守れた。ケロロくんを、守れた。

    『アサシントップがこんなとこで、我輩を庇って死ぬなんて許さねぇであります!目を開けろよ!!ゼロロ…!』

    その名前、また呼んでくれるの?
    君に名前を呼ばれるだけで、僕はすごく嬉しいんだ。

    『ごめんね』

    その意味を込めて、泣いている君の顔に手を添え、精一杯笑って見せた。

    『ッ…!!オレをこれからも守ってれるんでしょ?!生きてよ…ゼロロぉ…!!』

    『………ごめんね』

    最期に君を守れて良かった。泣き顔なのは、ちょっと悲しいけれど。僕が泣かせちゃったんだね、本当にごめんね。

    そこからの記憶は、ない。










    『なに寝てんだよ、起きろよ』

    重症の怪我人に向かってなんて奴だ。
    お前だって、重症のくせに。
    もう手も、身体の感覚もない。頭も貧血でふわふわしているというのに、手を握りながら。

    『赤達磨は馬鹿で、単細胞で、戦場の赤い悪魔は、簡単に死なないん、であります』

    俺だって、お前とまた戦場に立ちたいさ。
    …隊長を泣かせるなんて、軍人失格、だな。

    ピッ………ピッ……………

    息が、苦しい。
    とても、眠い。

    『ケ、ロロ』
    『…あによ』

    『お前の隣に、立てたことは…俺の、誇りだ』

    ギリッ…と俺の手を掴む緑の手が強くなった、気がする。

    『…オレの親友のギロロってやつは、バカなんだよ。でも最高の親友で、相棒で、オレを置いていくようなことしなかったであります』


    『お前まで、オレを置いていくなよ…!』


    すまんな、ケロロ。
    願わくば、来世でもお前の隣で。

    最期に、緑の手からの温もりと大粒の涙、そして嗚咽が聞こえた。


















    本作戦 戦果報告
    敵の殲滅、惑星の侵略完了

    .
    .
    .
    .
    .


    ケロロ小隊 殉職者一覧
    タママ二等兵
    クルル曹長
    ドロロ兵長
    追加 ギロロ伍長

    以上














    我輩だけ、生き残った。




















    「愛されてん、な…




    ……………クソがああああぁああぁあああああああぁああああぁあぁあぁあぁあ!!」

    この作戦は罠だった。大切な彼らを消すための、我輩を孤立させるためだけの。
    なぜ最初に気づけなかった!何故!何故!!
    これ以上なにを奪うってんだよ!



    ………今まで愛されてたって、これから誰が我輩を愛するんだよ。誰が怒ってくれるんだよ。誰がイタズラ一緒にしてくれるんだよ。誰が、誰が!!!
    彼らの代わりなんてひとりとして存在しないというのに!

    愛してんならいっしょに生きろよ。
    5人いっしょにケロン星に帰ろうよ。

    クローンに記憶が移し替えられたって、我輩の心臓はこれ一つだけだっていうのに!

    そこからしばらくの記憶は、ぼんやりとしかない。














    気づいたら大佐だった。無我夢中だった。






















    そして、あれからストレスなのか、ふとした時に彼らが近くにいるような気がして、見守ってくれているような気がして。

    書類を放置しようものなら、どこかからか物が勢いよく飛んできて(しかも鋭利な部分が当たる)。
    我輩に危険があれば、どこからか刃で弾く音が聞こえて。
    軍の中枢がハッキングされようものなら、ハッキングし返したうえで、セキュリティも向上していて(我輩のパソコンから。めちゃくちゃ賞賛された)。
    疲れていたら、お菓子が机の端っこに置かれていて(しかしほんの、ほんの少し)。

    もうすぐ、あの日か。
    あれから随分時が経った。









    花束を4つ持って、彼らの墓に行く。
    所詮墓参り。

    赤達磨は『ふん、そんなことより仕事しろ』と。
    ドロ沼くんは『僕、このお花好きなんだよね』と。
    黄色は『どうせならカレーかボルシチでお願いします』と。
    オタマジャクシは『お菓子の方が良かったですぅ』と。

    そんなことを言いそうだ、と思いながら、1つずつ、それぞれの墓に丁寧に置いていく。

    もう大丈夫、我輩立ち直ったんだよ。
    聞いて。我輩、大佐になったんだよ。
    だからね、もうやめてよ。優しく、しないで。
    あの日、罠を見抜けなかった我輩を。

    お前たちは自分が殺したようなものなのだぞ、と、理解ができない。




    …痛いんだ、痛いんだよ。あの日から、ずっと。
    我輩に、言葉で届けてよ。会いに来てよ!

    こんなの知らない、知りたくない、知りたくなかった。




    独りに、しないで。










    酷いよ、酷いよ!!
    もういっその事、我輩の身体も壊して、引き裂いて、お前たちの好きなようにしてくれ!

    円形に置かれている4つの墓の前で泣きわめく。これは明日は瞼が浮腫んでるだろうな、なんて場違いなことを頭の隅で考えながら。きっと冷たいタオルが置いてあるんだろうなって。


    会いたいよ、みんなに。


    ふと、身体がなにかに包まれて、暖かくなった。







    ________________







    「ねぇ、父さん!」
    ボクは父に、こう尋ねた。

    《もしも、ボクに心があるなら、どうやって見つければいいの?》と。
    でもその答えは、ボクにはあんまりよくわかんなかったけど。
    父さんに、あったかいなにかたちが寄り添ってたんだ。







    彼は微笑んで、自分の胸に手を当ててこう言った。



    「それは、ここにあるであります。」
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