矛と盾とある村に双子が生まれた。双子は対の存在だった。互いが互いを補い合うとても仲の良い双子だった。
とある双子は能力があった。1人は何物でも貫く矛、1人は何物でも貫かせぬ盾。2人はとても息があっていた。
とある所に連れてこられた。双子は対になっているカプセルに入れられた。互いのためだと騙されて。
とある実験施設があった。2人のケロン人を1人にする、なんともおぞましい実験をしていた。研究者は言う。「より質の良いケロン人を作ろう」と。
とある双子が1人になった。身体は1つ、頭が2つの化け物になった。研究者は言う。「失敗だ」と。
とある双子は飛び出した。これ以上人を殺めたくないと。これ以上、化け物になりたくないと。
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