昼寝 朝早くからアーサーは不在だった。今日はカイン、ヒース、シノと一緒にディズニーに行くのだそうだ。ディズニーならオズもアーサーと何度か行ったことがある。まだ彼が抱き上げられるくらい小さな頃のことだ。年に1度ほど連れて行った。アーサーは子供らしく大はしゃぎして、帰るころには疲れてオズの腕の中でぐっすり眠っているのが常だった。その緩んだ手から風船が飛んで行ってしまったことは1度ではない。
それでオズは朝から一人で家事を片付けて回っていた。今日は日曜日で、体育教師である彼も非番だった。日ごろから几帳面な性格のアーサーによって家は整然としていたが、やはり手が回らない家事もある。風呂やトイレ、キッチンなどの水回りの徹底的な掃除などはその一つだった。アーサーは自分がやるからいいと言っていたが、オズは彼のいない間に自分で片付けてしまおうと思った。それで昼頃には彼はくたくたになった。アーサーがいない時にしか作らないような簡素な食事を済ませ、乾いた洗濯物を取り込む。昼下がりのぽかぽかした陽気が広い窓から差し込む中、オズはひたすら二人分の洋服をたたんだ。洗濯はいつもアーサーの仕事で、たたんでタンスにしまうのもそうだった。それでオズは、いつもアーサーがやっているような几帳面さをまねて服をたたむのだった。アーサーがいなければ、今でも洗濯した服をそのままタンスに突っ込んでいたかもしれない。
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