互いに向ける想いこの部屋に閉じ込められてもう何日経ったかも分からない。
事の始まりは、自分の行動の身勝手さだったのだろう。
だろう、というのは、そこについての記憶が曖昧だから。
覚えているのは自分の右腕である馬淵の意見を無視して、独断で自ら敵組織へ乗り込み大怪我を負った事。
いつもなら心に余裕があり、自暴自棄になることなんてない。
だが、今回は違ったのだ。自分の右腕且つ一番大切な存在である馬淵を傷つけるような真似をされたのだ。
部下に探りを入れさせ、敵対組織の情報を聞いた時にその事が耳に入ってきた。
それを聞いた時には理性なんてもう欠片も残っていなかった。
組織のことも大切だが、彼のことはそれ以上に大切だった。
全て事を終えた後、彼がその場に駆けつけてきて怒られた。今まで以上に、見たことのない顔と聞いたことのない声で。
2144