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    gureiyama

    @gureiyama

    かなり30↑のひと
    山🏔️の字を書いてます下手です
    その上、よく無言修正いたすやからです
    *ドラマのキャラクターの二次創作であり
    実在の人物とは一切関係ありません
    気分により自作を上げたり下げたり、自由人です

    スタンプ多謝です!

    原作は読んでいません。ドラマだけで妄想してます

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    gureiyama

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    注意⚠️現代まで生きる神仙⑦
    かっこいい神仙も可愛い神仙もいません
    ⑦ですが
    ・2人が現代まで生きてマンション暮らしをしている
    ・白米という名の猫と同居している
    それだけを踏まえていただければ読めます、と思います

    いっしょにお風呂 マンション暮らしの神仙は二人ともお風呂が好きだ。
     一般的に湯船が無いことが多い国内にあって、二人がマンションを選んだ基準は「湯船があるかどうか」であった。
     二人の生活の暗黙のルールとして、その日風呂掃除をしたものが一番風呂を得る。
     ついでに、入浴剤を選択する権利も。
     その日、権利を得た周子舒は数日前に買ったバスボールを手にして風呂場にいた。
     もちろん、全裸で。
     湯加減はちょうど良い。そろそろと足先を湯につけて、ちゃぷりちゃぷりと湯に浸っていく。
     ういーー。
     変な声が図らずも漏れてしまうが、そんな些末なことはどうでもいい。
     お風呂最高。それがすべてだ。
     水色のバスボールをそっと湯につける。
     しゅわしゅわと白い泡が盛んに生まれて消えていく。
    「ん?」
     ふと気配を感じて曇りガラスの扉を見れば、小さな生き物がそこにいた。
    「白米?」
     うにゃ。
     同居猫の白猫がカリカリと磨りガラスをひっかく。白い体の中でそこだけ黒い頭のてっぺんも、ぴたりとガラスにつけられた桃色の鼻もよくわかる。
    「どうした? ここは水がいっぱいだぞ」
     祖先が砂漠出身の猫族らしく、白米はそれほど水が好きでは無い。
     うーなーにゃ。
     いーれーて。めずらしく、そんなことを言う。
    「入るのか? 阿絮は裸だぞ?」
     あにゃん?
     だから? プライバシーに関して随分と素っ気ない。
     ふむ、と一息はいて周子舒は湯から出した片方で掌底を打った。ガラス戸はかちゃり、と軽やかな音をたてて隙間を開けた。するりと白猫は浴室に入り込んだ。
     うにゃ。
    「いらっしゃい。お湯に入るか?」
     床に残る水滴を器用に避けながら歩き、湯船の角の幅広い場所にひょい、と飛び乗った。
     じ、と薄い青色に濁った湯面を見つめる。
    「濁り湯じゃなかったらすけべぇだぞ、白米」
     ふふん、と猫は笑う。何言ってんだか、とでもいうように。
     そろそろと手を伸ばして湯に触れてみる。途端に、嫌そうな顔をして手を振り回した。
     ははは、と同居人が笑うのを膨れたように見やる。
    「すまんすまん……お。出てきたぞ」
     ぷか、と泡に包まれたバスバールの小さくなった塊が浮き上がってきた。しゅわしゅわと溶けながら波紋を作る。
     みゃういん!
     泡の中から出てきた小さなフィギュアに白猫が歓声を上げた。
    「さてはこれが目当てだったんだろう? 隠してたのに、どこで見たんだ?」
     白と黒に色彩された人形を取ろうと、でも湯に落ちるわけにはいかないと白猫が葛藤と格闘をしているのを周子舒は目を細めて眺めた。
     手でフィギュアを掬ってやると、白猫はうにゃうにゃと喜びの声を上げた。ちょいちょい、と手の先でつつく。
    「入浴剤がついているからな。洗ってやろう」
     蛇口をひねって丁寧に洗ってから、湯船のふちに立たせて置いてやる。
    「結構、いい作りだなぁ」
     バスボールにフィギュアが入っているもので、その名も『ペンギンとお風呂』シリーズの一つだった。
     同居猫は喜びの声が止まらない。
     みゃういん!
     彼女はペンギンが大好きだ。
    「これはアデリーペンギンだな」
     全五種類とは言わないように周子舒は口をつぐんだ。
     揃えられるかどうか……下手な期待を持たせるのはよくない。
    「これは特別だからな? おまえにペンギンを買ったって言ったら、老温がぶつぶつ言うかもしれないだろう?」
     自分だって同居猫に甘いくせに、周子舒が「甘やかしすぎる!」と同居人はうるさいのだ。
    「ペンギン、持っていけるか?」
     あにゃん。白猫はこくりと頷く。咥えていく気なのだろう。
    「じゃあ、飲み込まないように気をつけていくんだぞ」
     あしゅにゃ?  
    「阿絮はもう少しお風呂だ。頭も洗うし」
     みにゃう。
    「なに!? 見てる、って? いやいや……見てなくていいんだ」
     みにゃう。
    「お帰りください……ペンギンと遊んでおいで」
     みにゃう。
    「白米。おまえ、わかって言ってるな? 悪い子だ!」
     にゃひひひひひ。猫にあるまじき笑い方をする。
     名付け親に似ている。思わず周子舒はため息を吐く。
    「ほーら! 白米!」
     みにゃーうー。
    「いーきーなーさーい!」
     みーにゃうー。
    「こら!」
     みゃーにゃー。
    「やーだー、じゃない! ペンギンとっちゃうぞ!」
     みゃーにゃーー。
    「なにごと? 事件? 入っていい?」
     ぱたぱたとリビングにいたはずの同居人がかけてくる。すりガラスの向こうに人影がうつる。
    「入っていい訳があるか!」
    「どうして!? 白米は入っているのに!?」
    「一緒にするな!」
     みゃーにゃー。

     周子舒は大変だった。


     後日。
     ふんふんと鼻歌まじりでシャワーを浴びていた温客行は、背後から視線を感じた。
     おもわず。
     思い切り全身で振り返った。
    「……白米?」
     どうやらガラス戸を完全に閉め損なっていたらしい。
     シャンプーの途中で、温客行は完全に無防備な状態だった。
     突然の出来事に頭に両手をやったままぼんやりと立ちすくんでいた。
     もちろん、全裸だ。
     ガラス戸の隙間から片目だけでじっと白猫が見ていた。
     見ているが。

     その焦点は、温客行の顔からいささか下部にピント調節されているようだった。

     彼女は、ふん、と皮肉に片方の口の端を上げるようにほくそ笑んだ、ように見えた。
     そして興味を失ったようにとことこと去っていった。

     温客行は動けなかった。
     なんだかひどい仕打ちを受けたような気持ちのまま、シャワーに打たれていた。

    【おわり…】
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    ☺☺☺☺☺☺☺💖☺🛀🛀🛀💞💞💞🇴❤😆☺
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    Replies from the creator

    gureiyama

    DONE注意⚠️現代まで生きる神仙⑨
    いつものようにかっこいい神仙も可愛い神仙もいません
    ⑨ですが
    ・2人が現代まで生きてマンション暮らしをしている
    ・白米という名の猫と同居している
    それだけをご理解いただければ読めます、と思います

    長生き神仙は日々くだらないことでわーわー言っててほしい
    無邪気な赤ちゃんというか御老体というか
    はじあしゅにエントリーしたくてがんばった…うちの阿絮、なかなか恥じらわない
    OPTを君に…永遠と呼ぶには短いけれど。
    一つの生をながくながくながくながく……周子舒は生きている。
    長く生きて世の中の大体のことは知っているような気がする。
    もともと知的好奇心は旺盛なほうだから本をよく読むし、知己と二人、世界の隅々に旅をしてたくさんのものを見てきたし。
    それでも生きることに飽きた、なんて思わないのは、世界というものは絶えず進化を続けているからだ。
    大きな進化といえば、近年ではIT関連が代表だろう。
    世界が変わるぞ、と知己と語りあった。そしてその通りになった。
    小さな進化にいたっては枚挙にいとまがない。
    人間というものは、喜怒哀楽に忠実な生き物だから。それを満たすために努力を惜しまない。
    そんなことを考えながら、色白の相棒を撫でた。
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    gureiyama

    DOODLE注意⚠️現代まで生きる神仙⑧
    はじあしゅ〜要素がある、気が、する…
    かっこいい神仙も可愛い神仙もいません
    ⑧ですが
    ・2人が現代まで生きてマンション暮らしをしている
    ・でも出来てはいない
    ・白米という名の猫と同居している
    それだけを踏まえていただければ読めます、と思います

    長く生きてちょっと変な方向に振り切りがちな人たちです…
    あじわいつくす、この日々を 久しぶりに飲む酒は美味い。
     一月に一度と決めたものを食す日。温客行手作りの「ちょっと豪華な家庭料理」も格別に美味かった。そしてその後の酒肴も。
     この頃の食事は自宅が多い。以前はふらりと海外まで出かけることすらあったのに。 
     理由は、今離れた場所に置かれた猫ベッドに丸くなっている白い毛玉のためがほとんどだ。
     かけがえのない同居猫。
     彼女を置いて出かけたり預けたりするより、一緒にご飯を食べるのがいい。
     普段から食のいい白猫だが、一緒に食事をとる時はどこか嬉しそうに見える。
     二人は酒を飲みながらソファに並んで座り、映画を見ていた。周子舒気に入りの往年の傑作サスペンスだ。
    「阿絮、飲み過ぎだよ」
    「いいだろー。月に一度なんだからー! お前だって結構飲んでるのしってるんだぞぉ、おれはー」
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