太陽から雷霆へ◆◇◆
「インドラ」
不意に届いたその声に、雷霆神は思いきり顔を顰める。
それは神々の王が今まさに下界に降り立ち、我が威光(テージャス)を振り撒きながら、人理修復等という大それた事を成そうとしている人間を、酒の肴に見物しに行かんとしているところだった。
ついでに英霊として召喚された我が息子の様子を窺おうという気も無くは無かった。
決意したものの己の膨大過ぎる霊基を調整には予想外に時間がかかり、やっとのことで現界にあたって相応しい依代を作り出したところだ。
正直、この瞬間を今か今かと待ちわびていた。しかし、神々の王たるこの神(オレ)がそんなに必死になって現界したがってると思われるなど在ってはならない。
「……神(オレ)はこれから物見遊山に出かけるところだったが、別段急ぎの用でもない。よって神(オレ)を態々呼び止め、神(オレ)の悠久なる時を奪わんとする理由位は聞いてやる。……何の用だスーリヤ。」
1970