告白の答えを聞くアシュくんの話「……お慕いしております」
幼い手で掴んだ服の裾。見上げた紫水晶の瞳は驚いたように見開かれた後、猫のように細められた。
父が指導しているクル国の王族たち。その中で一際尊大な青年は、持っていた棍棒を持ち替えて右手で俺の額にかかっていた髪を払った。
「知っておる」
ーーーそれは初めて旦那に想いを告げた日。
よく遊びに来ていた叔父が不死者だと。お前も同じなのだと告げられた日。
最後まで話を聞かず飛び出した俺は鍛錬の途中だった旦那に飛び込んだのだ。もちろん王族である旦那に飛び込むなんて出来るはずもない。それ以上にいざ旦那を見て怖気づいた俺が言えたのはそれだけだった。
ーーーお慕いしております。
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