あー、でも似た名前の花の花言葉は知ってる。それは何とも不可思議で長い夢であった。
「あれ…メロりんどこ行っちゃったんだろ」
見所のないような目立たない街の一角で、リビンは迷子になっていた。メロイと隣に並び一緒に歩いていた気がするのだが、辺りには不鮮明な顔の人々しかいない。
リビンはまさかこれを夢だとは気付かなかった。
キョロキョロと辺りを見回す。
「メロりーん。メロり…メロイくーん。どこー?」
そう遠くへは行ってない気がするから、声を出して呼んでみると、反響するような、篭っているような不思議な響き方をした。
「よ…呼ばれてる?」
案外すぐに聞き覚えのある声がしたものの、姿は見えない。
「あれ、メロりんいるの?どこ?」
「め、めろりん…?ってもしかして俺の事ですか」
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