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    おわり

    @owari33_fin

    アズリドとフロリドをぶつけてバチらせて、三人の感情をぐちゃぐちゃにして泣かせたい

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    おわり

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    今現在、恋愛感情なんか微塵もないアズリドとフロリドの未来の子供がやってきてなんやかんやのクソ冒頭

    並行世界チャイルド それは、授業中の出来事だった。
     グラウンドの上。辺りが急に暗くなり、さらに大きな穴が空いた。雷鳴轟かせる穴。その口から吐き出された二つの塊が、このとんでもない事件の発端になるとは、この時はまだ誰も知る由もなかった。

     * * *

     授業中、慌てたゴーストがリドルを教室まで呼びに来た。緊急だと言われ、急いで学園長室まで向かうと、その扉の前でアズールとフロイドと出会った。
     苦手な同級生と、胡散臭い同級生兼同じ寮長である二人を見て、リドルは自然と眉を顰めた。
    「あー! 金魚ちゃんだぁ〜!! なになに、金魚ちゃんもマンタせんせぇに呼ばれたの?」
    「僕たちも先ほど緊急の知らせを受けて来たんです」
     この組み合わせなら自分ではなくジェイドが呼ばれるべきなのでは? とリドルは思った。どう考えても、二人と一緒に呼ばれた理由が分からない。こんな所で立っていても仕方ない、コンコンとドアをノックすれば、学園長室からバタバタと走り回る音が聞こえた。中からは、やめなさい! と言う声や、甲高い子供の声と泣き喚く声が聞こえた。
     学園に相応しくない騒々しさに、リドルはドアの外から開けますよと苛立ちを隠さない声をかけ、学園長室のドアを開けた瞬間、先ほど見たばかりのターコイズブルーと薄く紫がかった銀色が、リドル目掛けて飛んできた。
    「りどる!」「かあさん!!」
     二つの塊によるタックルは凄まじく、尻もちをついてその場に座り込むリドルに嬉しそうに抱きつく子供と、グズグズ泣きながら抱きつく子供。知らない子供に急に懐かれ、リドルは頭の中をクエスチョンマークで埋めた。
    「りどる、シャシンのふくきてる! あはっ!」
    「かあさん、ぼく、ぼく……こわかったよ、うえええ」
     五歳程の子供に、顔をベタベタと触られ、もう一人には涙と鼻水まみれの顔を押し付けられ、普段子供と接する機会が無いリドルは、その場で固まることしかできなかった。
     この顔は、どう見てもフロイドとアズールを小さくしたような……
    「なに、このちっさいの」と、フロイドは自分によく似た顔の子供の服を掴んで目の前に持ち上げた。
    「ふろいどだぁ! ふろいどー! あそんで!」
     キャッキャとはしゃぐ男児は、フロイドと全く同じ顔をして、無邪気に笑っている。
     アズールは、は? とか え? とか言っては、リドルに抱きついて鼻水まみれの顔で泣く、自分そっくりの男児をマジマジと見つめていた。
    「学園長、この子たちは……?」
     先ほどまで子供を相手にいていたせいか、ヨレヨレになったクロウリーは、大きなため息を吐きながら椅子に座った。
    「ローズハート君、よく聞いてくださいね。その子供達は、あなたが十年後に産むことになる、アーシェングロット君と、リーチ君との子供です」
    「は?」
     リドルは、言われた意味がわからなかった。男の自分が産む子供と言うだけでも大概なのに。まさかその相手が、人をふざけたあだ名で呼ぶ自由人のフロイドと、陰湿で狡猾な胡散臭いアズールだなんて天地がひっくり返ってもあり得ない。
    「あり得ない! 僕とリドルさんの、こ、子供!?」
     先に叫んだのはアズールだった。焦りと嫌悪に歪んだ顔が、リドルとリドルに抱きついてグズグズと泣く自分そっくりの子供に向けられた。まるで甘ったれな子供の頃の自分を見ているかの様で、アズールは吐き気がした。
    「学園長、その情報は本当なんですか?」
    「ええ、本当ですとも。この子達の証言だけではありません。未来のローズハート君が、この子達の安否を心配して次元を超えて魔法通信を行いました。それも二回も!」
     どうして二回も通信を行う必要があるのか? 一瞬考えて出た答えはこうだった。
    「別の世界の金魚ちゃんからってこと?」
     別の世界、つまりフロイドの子供を産んだリドルと、アズールの子供を産んだリドルと言う事だ。
    「ええ、察しが良くてよろしい。その未来の二人のローズハート君が、迎えに行くまで過去の自分か、アーシェングロット君又はリーチ君に世話をさせてくれとお願いしてきました。なので、君たち三人を呼んだわけです」
    「僕は嫌です」ときっぱり言い切ったのはアズールだった。未来でリドルに自分の子供を産ませるというのも、産まれた子供が自分の黒歴史を思い出させる様な甘ったれた泣き方をしているのも、両方拒絶反応が酷かった。いつもの様に、上部だけ繕うこともせず、今すぐにでもこの部屋を出たいと表情を露わにした。
    「オレは、べつにいーよ。コイツなんか面白いし」
     フロイドが、自分そっくりの子供を肩車して、その場をクルクルと回りながら答えた。肩の上の子供は、ギャハハと笑って実に楽しそうだ。
    「リーチ君はいいんですね! よかったよかった」
     クロウリーは、手を焼く子供を一人引き取ってもらえた事にホッと胸を撫で下ろす。だが、
    「おまえは何を言ってるんだ! 今日は放課後モストロ・ラウンジのシフトも入ってるだろ。子供の面倒を見る時間なんか無い」
    「じゃー、コイツらどーすんの?」
     フロイドに聞かれて、アズールは言い淀んだ。先ほどから、自分に似た顔の子供が、傷ついた顔でこちらを見ていたからだ。その顔に、虐められてクラスでひとりぼっちになっていたあの時の自分が重なった。子供は終始俯いてリドルの手を小さな手でギュッと握っている。吐き気と共に、わずかな罪悪感が胸を掠めた。
     そんなアズールを見たリドルは、ため息を一つついて、仕方ないと立ち上がった。
    「分かった。ボクが二人の面倒を見よう。キミの言い分は分からなくは無いが、自分の方が傷ついた顔をするぐらいなら、もう少し言い方を考えたほうがいいよ。では学園長、この二人はハーツラビュルで預かります。それでいいですね?」
     リドルの言葉に、クロウリーは大いに喜んだ。
    「ええ、ローズハート君、よろしくお願いします」
     今度こそこれでやっと丸く収まったとばかりに、クロウリーは唇の端を喜ばし気に持ち上げて笑った。そして、リドルに必要なものに掛かった金額は、後ほど未来のあなたが精算すると言っていましたと伝えた。
    「そうそう、一つ忘れていました。子供たちの名前ですが、あなたたち三人には言わないようにと、未来のローズハート君から口酸っぱく言われましてね。二人に聞かない様にお願いします」
    「えー! 名前聞くとなんかあんの?」
    「さて? 私には分かりません」
     何か知っていそうなクロウリーだが、未来のリドルがダメだと言えば、知らない方が良いことなのだろうとリドルはそれに関して追求することをやめた。
    「ですが、名前が無いと呼ぶのにも一苦労では?」
    「そこは、アーシェングロットJr.なりリーチJr.などと適当に……そうです、あだ名でも付けて呼んでください」
     適当な名付けに、流石のリドルも腹が立った。
    「ではこちらで考えます。ほら、キミも行くよ」
     フロイドに肩車される子供に手を差し出すと、子供は嬉しそうに笑ってフロイドの肩を蹴ってジャンプした。
    「りどる〜!」
    「わ!? 危ないなキミは!!」
     子供を抱き止めると、へにゃりと笑って嬉しそうに抱っこされている。「りどる、りどる」と嬉しそうに笑う子供に、なぜか急激に毒気を抜かれた。
    「いいかい、今の行為はとても危ないから、もうしてはいけないよ」
     そう言うと、子供は少し考えて「わかった」と頷いた。
    「キミは、父親より物分かりがいい素直な子だね」
    「はぁ? 金魚ちゃんさぁ……オレも物分かりのいい良い子なんだけど」
    「物分かりが良いなら、ボクが一度嫌だと言えば変なあだ名で呼ぶ事を止めてから言うんだね」
     さぁ、ハーツラビュルに行こうと、子供の手を引いた時、アズールに似た子供が俯いてその場に立ち尽くしていた。いくらまだ自身が産まれるよりずっと前の、自分の事を知らない父だと分かっていても、自分の父親からの明らかな嫌悪の視線が向けられるのはショックなんだろう。
     膝を折って目線を合わせ頭を撫でてやれば、リドルに抱きついて顔を埋めて甘えてきた。
     それを見たアズールが小さく舌打ちするのをリドルは聞き逃さなかった。
    「アズール、キミが理解できない様に、ボクもまだ現状を受け入れてはいない。だが、この子にとってキミは父親なんだ。そんな顔で見るのはやめておあげ」
    「……こんな意味不明な事を信じて受け入れるなんて、リドルさんはずいぶんとお優しいようだ」
     嫌味を口にすると、リドルは眉間に皺を寄せた。今日のアズールは、特に言葉が攻撃的で、彼がどれほど今のこの状況を嫌悪しているかが分かった。
     だが、リドルですら子供たちに嫌悪はなくても、自分がこの二人の子供を産む未来がある事が、正直、不快だった。それでも子供は悪くない、というか、リドルは不思議なほどこの子供達に対して、今まで感じたことのない様な庇護欲を感じていた。それは愛しいとさえ思えるほどで。心の奥から湧き上がる感情に逆らえない。
     さぁ行こうと、子供の手を引いてリドルはその場を後にした。その後ろ姿を、アズールとフロイドは無言で見つめていたのだ。

     * * *

     学園では、一瞬で空から降ってきた子供の話で持ちきりになった。
     なにせ二人が、空に開いた穴から落ちてきた所を救出され、どこの子だと聞かれて全てを話したのが悪かった。アズールとフロイドが未来でリドルを孕ませ産ませた子供……と言う話は一瞬で広まり、三人は好奇の目にさらされる事となった。
     そして、ハーツラビュルでは、まさにその二人の子供の前に大量のスイーツを並べて、尋問が始まろうとしていた。
    「うわー! この子たちが、アズールクンとフロイドクンの子供なんだ!!」
     かわいー! と言いながら、ケイトは二人に了承を得てマジカメ用に写真を数枚撮影して、早速投稿している。
    「えぇ、このフロイド先輩の子、ノリまで生き写しとか怖すぎ」
     イチゴのタルトを手掴みで食べながら、「アハッ、なんかフロイドの作ったのとチガウ」と次から次に菓子を口に詰め込むフロイド似の子供の横。食べて良いものか分からず、紅茶以外に手をつけないアズール似の子供をリドルは心配した。
    「イチゴのタルトは苦手かい? トレイの作ったタルトは美味しいよ」
     リドルの言葉に「父さんが怒るから」と俯き加減で呟く。それを聞いて、デュースとエースが、細身の人魚に混ざるぽっちゃぽちゃのまるまるの人魚が写った写真を思い出す。
    「キミのお父様は、どうして食べてはいけないと言うんだい?」
    「それは……ぼくが太りやすいたいしつかもしれないからって」
    「未来のボクは……キミのお母様はなんて言ってるんだい?」
    「そのはなしになると、いつもとうさんとケンカになって……きょうもそれで、ふたりけんかになって……かあさんは、ぼくをつれてでてくって……」
     話の最後は、もうほとんど小さな鳴き声で言葉にならなかった。アズールによく似た子供の背中を撫でてあやした。
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     グラウンドの上。辺りが急に暗くなり、さらに大きな穴が空いた。雷鳴轟かせる穴。その口から吐き出された二つの塊が、このとんでもない事件の発端になるとは、この時はまだ誰も知る由もなかった。

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     授業中、慌てたゴーストがリドルを教室まで呼びに来た。緊急だと言われ、急いで学園長室まで向かうと、その扉の前でアズールとフロイドと出会った。
     苦手な同級生と、胡散臭い同級生兼同じ寮長である二人を見て、リドルは自然と眉を顰めた。
    「あー! 金魚ちゃんだぁ〜!! なになに、金魚ちゃんもマンタせんせぇに呼ばれたの?」
    「僕たちも先ほど緊急の知らせを受けて来たんです」
     この組み合わせなら自分ではなくジェイドが呼ばれるべきなのでは? とリドルは思った。どう考えても、二人と一緒に呼ばれた理由が分からない。こんな所で立っていても仕方ない、コンコンとドアをノックすれば、学園長室からバタバタと走り回る音が聞こえた。中からは、やめなさい! と言う声や、甲高い子供の声と泣き喚く声が聞こえた。
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