no title今日は荘園で気まぐれに開催されるパーティの日。
やけに張り切って準備にあたっていたほとんどの女性陣は楽しそうに談笑し、一部の酒好きで宴好きな男性陣もワイワイと盛り上がっていた。
半ば強引に連れ出されたもう一部の男性陣は、酒をちまちま口に運んでいる者や、さっさと部屋に戻ってしまう者もいた。
パーティへの参加はほぼ強制ではあったが、いざ始まってしまえば各々自由に過ごすことができる。
いつものようにやれやれとした様子で食事の席に着いたノートンは、ひとしきり腹ごしらえを終えると、退屈凌ぎにパーティの様子をぼんやりと眺めていた。
正直、階級の差を越えて賑やかな社交の場に招かれるのは少し複雑だった。
この荘園には様々な事情を抱えた者たちが出身や身分を問わず集まっている。荘園主に課せられるゲームを充実させるには他の面々との協力が不可欠なわけで。そのためのコミュニケーションは適度に取る必要がある。元々このパーティも、気まぐれなんかではなく、交流を通した協力関係を築くことが目的だったらしい。
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