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    ☀️vs🎤

    暴走☀️を止める🎤飛んで来る巨大な十字架が地面を抉り突き刺さる。怪力馬鹿と罵る前に斧が真上から降ってきて横へ飛び、体勢を立て直そうとするが隙も与えぬ猛攻撃に身体が散り散りになったが、分裂し、合体して元の姿に戻る。真っ黒な顔から読み取れるものはない。ただ潰すだけに身の丈以上もある大斧の鋒を向けてきた。

    「たいよー?」

    返事はない。やれやれと首を振ってざくろはチャクラムを構えた。サポートしてくれるカシキンと荒川はいない。こうなった太陽は非常に面倒臭い。チャクラムの片方を投げる。遠心力で飛んで行ったのを追うようにもう片方も投げれば2回目に投げたチャクラムは太陽に向かった。避けるのを見越して先に投げたチャクラムが戻ってくる。避けた先にチャクラムが戻ってくるのを太陽も無意識に分かっていた。金属が擦れる音を立てて大斧とチャクラムがぶつかる。弾かれたチャクラムを掴み、もう一度投げれば同時に巨大な十字架が投げられぶつかり地面に落ちた。

    「もー、たいよーってばぁ……」

    きっかけは分からないが正気を失っている太陽は目に付くもの全てに襲いかかる。被害が出る前に正気に戻せたら楽だが、太陽はとんでもなく力があり、近接攻撃に振り切れていた。やたらめったらと大斧と十字架を振り回し、何もかもを薙ぎ倒して行く。単調な動きしか出来なくなるのが正気を失った太陽の弱点だった。体力と遠距離攻撃が得意なざくろは相性が悪く、中々懐に踏み込めないでいた。攻防を繰り返しているうちに片方のチャクラムを遠くに飛ばされてしまったが同時に十字架も遠くに飛んだので、後は大斧だけである。残ったもう一つのチャクラムが手に戻り、ざくろは構えた。太陽はずるずると大斧を両手で引きずり向かってくる。真っ黒な顔は笑っているのに圧があり、気を抜けば膝をついてしまいそうだ。

     ざくろはマイクを取り出して構え、大声で歌う。圧が吹き飛ばされて太陽は煩わしげに顔を顰めた。浮き上がった血管がまた増えたのを見て口元がにやける。正気を失っていても太陽は太陽で、ざくろに対する並々ならぬ殺意は変わらないようだ。煩わしい歌を止めようと地面を蹴って突っ込んできた太陽が浮き上がった大斧を振り上げる。ざくろは構えたチャクラムで真上に降ってきた大斧の軌道を僅かにずらして避けた。軌道をずらされた大斧は地面を割って突き刺さる。その力たるや、割れた地面が凹んで突出し欠けた岩と砂埃が舞う。勢い任せに振ったせいで太陽ごと浮き上がった状態をチャンスと捉え、腕を振りかぶり脇腹を狙った。が、ざくろは忘れていた。彼はナイフを持っているのだと。

    「ぎ、ぃっ……⁉︎‼︎」

    拳に突き刺さったナイフが激痛を走らせる。拳を代償に歯を食いしばり耐えながら勢いを殺さずそのまま抱きつくように突進した。太陽の体がぐらつき、両手から大斧が離れる。馬乗りになり胸ぐらを掴んで頰に一発。二発、三発と入れて行く。正気に戻るまで何度も何度も、太陽の血で塗れた拳を振り上げる。やがて太陽の顔は黒から白に変わり、振り上げた拳を掴んだ太陽がざくろの腰を掴んで起き上がった。

    「いっ……てェな……」

    「あ、起きた?おはようたいよー!」

    にこっと笑ったざくろと周りの惨状を見て溜息を漏らす。助けられた事実を認めたくなくて、しかし全力で止めてくれた事に変わりはなく。ぶっきらぼうに礼を言う。

    「……助かった。」

    「いいえー!次は気をつけろよ太陽。」

    ころころと笑ったかと思えば真面目な顔で声を低くし忠告する。そんな事分かってるわと言いながら退かせて太陽は武器を回収しに向かった。
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