浮ついても浮つかない ディスプレイからふと目を離し、しまった、とレムナンは少し呆然とした。本来シャワーを浴びる予定の時間から少しはみ出したゲームは、いつもよりは上出来の戦果を上げたところだ。急いでシャットダウンして、ゲーム用の眼鏡を机の上に置く。シャワーを浴びるのが少し遅くなったところで明日に差し障りがあるわけではないが、パートナーシップ契約を結んだばかりの相手は本人の弁を借りるなら、そろそろおネム、のはずだ。
「君も僕と一緒にいて長いし、どうせ一緒にいるんだから公的な契約を結んでおいた方が赤の他人のままでいるより都合がいいからね。今のグリーゼであっても、今の君は僕の居候でしかないわけだし。まあでも、ははっ、旧体制のころと違って周囲から不審者と思われてないだけマシなのかな?」
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