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    pandatunamogu

    降新文をポイポイします

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    pandatunamogu

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    しんどいセフレ降新の降ver.2話目

    ##降新
    ##セフレ

    ボクのキズ、キミのココロ いつから君は、こんなに顔色を窺うようになってしまったのだろう
     いつから僕は、君に対しこんなに不器用になってしまったのだろう


              2.

     いったいいつからだろうか、と。己の身の下で懸命に声を殺して律動に揺さぶられる白い裸体を見下ろす。彼が自分に抱かれながら、何かに思いを馳せているその顔を見る度、擦り傷だらけの心に塩を揉みこまれるようにギリギリと激しく痛み、その都度思い知らされる。自らが望んでこのような愚かしい提案をしたにも関わらず、本当に彼が許してくれるのは『カラダ』だけなのだ、と。だから思わず口から漏れていた。

    「何を、考えてるんだ」

    ────今、この瞬間だけでいい。躰を繋げているこのヒトトキだけでも…………俺のことだけ考えてくれ…………なんて。つくづく莫迦だな、俺は。

    「……何も」

     無味乾燥のその声に目を伏せて、がむしゃらに腰を打ち付けて、微塵も言葉にも態度にも出せない想いと共に薄いスキンの中に虚しい白濁を吐き出した。降谷の吐精と同時に後孔だけで極みに達する新一に、どうしたって愛おしさが沸き起こってくる。出来ればそのビクビクと震える背を、思う様抱きしめてしまいたい。汗が滲む白い首筋に、思い切り吸い付きたい。それでも。何ひとつ実行に移せないのは臆病風に吹かれた己の弱さか、所詮体だけの関係の相手にそこまで甘ったるくされたくはないと彼に突っぱねられてしまう事への恐怖心か。
     いつもであれば、下手に事後の甘ったるい余熱に浸って未練を残さないように、さっさと身を起こして彼の名残と熱と肌の感触を己の肌に、局部に残してしまわぬようシャワーを浴びに行くのが降谷の常だった。それは何も、用が済んだからさっさと身支度を整えて彼を追い返してしまえというものでは無い。まったく逆の思いと懸念からだ。元より心が手に入らないと分かりきっているのならば、せめてカラダだけでも────。そう思い自らが始めたこの関係が今、降谷自身を誰よりも苦しめ、縛り付けていた。

     いっそこの手を離してしまえたら、楽になれるのかもしれない。

     そんな思いも去来するが、一旦この手を離してしまえば最後、もう二度と彼と個人的な接点を結ぶことは不可能になってしまうだろうと、それぐらいの予想は容易かった。肌を重ねれば重ねるほど、心の深くに無数の傷が生まれ、ドクドクと鮮やかな血を流す。彼の内奥がいつの間にか降谷の形に作り替えられていることを、実感すればするほどに────一秒ごとに貪欲になってしまう自分に唾棄する。
     ふと気がつくと、随分長い時間新一の内奥に肉楔を沈めたまま、じっと彼を見下ろしていたようだ。困惑の色を濃くした新一の眼が、絶妙な揺れを孕みながら降谷を見上げていた。

    「おい」

     気がつくと、そう声をかけていた。
     まるで弾かれたようにバチリと視線を合わせた新一は、余計に困惑の色を強める。

    「……何ですか」

     極力感情を読み取られまいと無味乾燥した声でそう問うてくる彼の口から、たった一度でもいい。ベッドの上で名を呼んで欲しい────だなんて。
     何と浅ましく、何と身勝手な願望か。
     ベッドの上で互いの下の名を呼び合い、舌を絡めて濃厚な口吻を交わしていいのは────恋人同士の特権だ。心を求める度胸が持てずに体だけ求めてしまった自分が、ソレを望んでしまうことは絶対に許されない。
     突っ慳貪な物言いに腹立たしさはなく、ただただ寂しかった。こうして肌を重ねているのに、心は地球一周分ほどの距離がある。そのことが、ただただ哀しかった。どうせ自分と彼を繋ぐものは、こんなに即物的でチープな局部しかないのであれば、今、この時だけでも彼を独占していたい。一分、一秒でも長く、その熱と体臭と体温を自分で埋めつくしていたい。
     ぐじゅりと降谷の形に窄まった内奥を、硬度を保ったままの屹立で掻き回してやれば、「んあ……っく」と鼻に抜けるような甘やかな声で啼く。その事がたまらなく愛おしく────たまらなく苦しかった。

    「まだ思考を回せるほど体力と気力が残ってるんだな。なら────まだ付き合えるよな?」

     見て。感じて。他を見ないで。今、この一瞬だけで構わないから。君の感覚を牛耳っていられるこの一瞬だけは、俺でいっぱいになっていてくれ────なんて。どこの少女漫画だ。矮小過ぎて笑いさえ起らない。
     罪と傷を重ねるため、降谷は固く目を閉じて新一を四つん這いにさせると、ボタボタと汗を滴らせながら攻め立てた。伝えられぬ幾千幾億の想いをぶつけるように、ただひたすら愚鈍に腰を打ち付けて、短い死へと向かい律動を早めていく。
     不意に、一体誰を思ったのか、新一の内奥がぎちゅぅ……と強く収縮し、思わず降谷は息を詰める。蠱惑的なその締め付けに脳髄は快楽に痺れるのに、その心はズキズキと激しい痛みを覚えた。

    ────一体君は今……

    ────俺に抱かれながら誰を想い、締め付けたんだ……?

     熱を解き放った後、横倒しでビクビクと小刻みに痙攣する新一をじっと見下ろしながら、先程の食い締めの原因がいったい誰なのかと、口にできない疑問を視線に乗せて見下ろすことしか出来なかった。

     嗚呼。
     いっそのこと────。
     君が好きだと暴露してしまえたら────。

     口にできる勇気もない男は今日もまた、固く口を引き結んで、事後の未練を引きずらないようにベッドから下りると、「三十分後にはここを出る」とだけ伝えてベッドルームを後にすることしか出来なかった。
     寝室のドアを閉めてから、コツリと扉に後頭部を凭れさせ、天井を見上げる。

    「………………」

     この関係が永遠に続いて欲しいのか、今すぐに終わらせてしまいたいのか、考えれば考えるほど混沌としていく思考から逃げるように、男はシャワールームに消えた。
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