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    JailBird_bgm

    @JailBird_bgm

    とある昭和アニメの喧嘩集団に20年越しに再燃した初老の女が、描いたにはいいけどTwitterには大っぴらに置けないようなものを格納する場所

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    🕶👊
    過去に書いて眠らせてたドライブデート話から一部抜粋。
    携帯持ってるから世界線としてはフラッシュらへん?

    書いてる途中でもうお台場に観覧車はないと知ったので話ごとボツにしたけど、何となく勿体なくて一部だけ供養のため公開。

    車のキーを手に取り、エンジンをかける。
    そして駐車場から車を発進させた。
    道中、車内では音楽をかけた。
    よく聴くアーティストのアルバムで、ドライブデートといえばこの曲だろうと直感的に思った。
    待ち合わせ場所に着くと、堅作は携帯を片手に辺りをキョロキョロと窺っていた。
    そして、俺の姿を見つけるなり嬉しそうに手を振る。
    その仕草が妙に可愛く見えて、思わず顔が綻ぶ。
    「待ったか?」
    「や、今来たとこだ」
    なんてやり取りが、ベタな恋人みたいで何となく照れてしまう。
    堅作も同じように感じたようで、お互い恥ずかしくなって、しばらく無言のまま立ち尽くしていた。
    先に沈黙を破ったのは俺だった。
    「……ぃよし、じゃ行くか」
    「うん」
    堅作の返事を聞いた後、俺は助手席のドアを開け、中に入るように促す。
    そして自分も運転席に乗り込み、シートベルトを締める。
    堅作は乗り込むなり、車内を見回してため息をひとつつく。
    堅作は俺が免許を取った頃からよく車に乗せているから、今更何ということはないはずなんだが。
    「何か珍しいもんでもあったか?」
    「ん?あー、いや……」
    訊ねてみると、歯切れの悪い返答。
    不思議に思って横目で堅作を見ると、耳がほんのりと赤くなっていた。
    「なんかよ……立場が変わると、助手席に座るのって変な気分だなーって……」
    と漏らす堅作。
    その言葉を聞いて、俺の顔も熱くなるのを感じた。
    今まではメンバーもいたし、2人で乗ることはあっても、それはダチとしてだった。
    今、堅作は、俺の恋人としてここにいる。
    それが実感できて、柄にもなく舞い上がってしまう。
    しかし俺は平静を装う。
    こういうのは俺の方からリードしなきゃいけねぇし。
    俺はアクセルを踏み込み、車を加速させた。

    「……で、結局どこ行くんだっけ?」
    しばらく走ったのち、俺の左隣で窓からの風を受けながら、堅作が問う。
    俺は運転しながらどうしような、と答える。
    ちなみに結局行き先は特には決めていなかった。
    それならとにかくベタなことをして楽しみたいと、堅作は言った。
    でもそれだけだと漠然としてわかりにくいので、俺は堅作にどんなことをしたいのか詳しく聞いてみる。
    話し合い幾つか出てきた候補の中から、今回はお台場に行こうということになった。
    本当になんつーベタなスポットだ。
    まあこいつが行きたいというならそれでいいし、地元からは離れてる。
    なら少しくらいハメ外しても問題ねえよな?
    そう思いながら、俺はハンドルを切る。
    運転中、左頬に視線を感じて横目で見ると、堅作がじっとこちらを見ていた。
    お台場も近くなり窓の外には絶景が広がっているというのに、堅作はそっちには目もくれず俺の顔から視線を外さない。
    「景色とか見なくていいのか?」
    と俺が問うと、堅作はとんでもない事をぬかしやがった。
    「運転してる乱人、かっけーなって思って」
    一瞬思考停止に陥りかけた。
    それからじわじわと胸の奥から沸き上がるものを感じる。
    それはとても熱いもので、身体中に巡っていく。
    ヤバい。なんて可愛いことを言うんだこいつは。
    不意打ちすぎるぞバカ野郎!あーもう!
    俺はハンドルを握る手に力を込める。
    隣からはへへっと悪戯っぽく笑う声が聞こえる。
    俺は赤くなった顔を見られたくなくて、堅作から顔を背けるようにして前を向いた。
    「……そんなんいーから外でも見てろ、絶景だからよ」
    「ほんとだ、すげぇ!あ、あそこ!」
    堅作が指差した先には大きな観覧車が見えた。あの周辺が目的地だ。
    ガキみたいにはしゃぎやがって、全く。
    だがそんな堅作が可愛いと思ってしまうのだから、俺も末期だ。
    まあ今日はとことん付き合ってやるつもりだけどな。
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