寄り合い、温め合い、重なり合う──「なんか今日……」
くっ付けている机の左側から聞こえたフロイドの声。部屋で一緒に宿題をしていたはずだが、ちらりと目線をやると、机の上にはクッキーと思しきものが真ん中に。サクサクと音がするとは思っていたが「片手間におやつ」どころかおやつしかつまんでいなかったらしい。
「何か気になることでも?」
ちょうどキリのいい所まで進められたので、休憩がてら話しかける。
フロイドは体を回転させて足をこちらに向け、「気のせいかもしんねーけど」と前置き。
「今日この部屋、つーか寮全体? 妙に涼しいよなって」
「そうですか?」
首を傾げて見せたが、言われてみれば確かに涼しい気がする。となれば──。僕は机の隅に置いていたスマホを右手で滑り寄せ、マジカメを開く。「何見てんの?」とすぐそこまで近寄って来たフロイドが僕の肩にぐるりと腕を回して覗き込んだので、見えやすいようにスマホを少し寄せてやった。
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