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    #監督生攻め絵描き文字書き60分一本勝負
    10/31 お題:ハロウィン
    監の容姿描写(ピアス)1〜2行分くらいの差分です…

    昨年散々大騒ぎになった甲斐あってか、今年のハロウィーン週間は規模や賑わいの割にはそこまでのトラブルもなく、平穏に過ごせた。それでもやっぱり規模が規模なので、緊急の雑務が発生したりなんだりで走り回りはしたのだけど。
    くたびれてしまっていた襟を形が崩れないように直しつつ、今年は会場候補から逃れた静かなオンボロ寮へと帰寮する。はしゃぎ疲れたらしいグリムは、既に俺の腕の中で夢の世界へと旅立ってしまった。
    談話室のソファにそっと寝かせて毛布とクッションで包み、夕飯はパーティーで食べたけれど結構早々に寝てしまっていたから、お疲れ様の意も込めてツナ缶を三つほどと、あとお菓子も並べて。
    「おやすみ、グリム」
    起こさないようにそっと声をかけて自室に戻る。
    「……」
    来てるだろうな、とは思っていたけれど。俺を驚かす為か灯りも一切つけられていない暗闇の中、エースがベッドに横たわってすやすやと眠っていた。
    元々は座っていたのだろう。膝から下はベッドから下ろされていて、勿論毛布も何もかけていない。寝る準備としては風呂は済ませているようで、身に纏うのは俺の部屋に置きっぱなしの部屋着で、ハロウィーン用のメイクは綺麗に落とされている。
    寝辛そうだし風邪引きそうだし、着替える前に彼を何とかすることにする。とりあえずまずはちゃんと寝かせようと、エースの身体を抱き上げる為に身を屈めたところで、暗闇の中でもきちんと赤い彼の瞳が俺のものと視線を絡めた。
    起きてたの、と漏らす間も無く、首元のリボンを指先で引かれて姿勢を崩す。咄嗟についた腕はエースの顔の両脇に着地した。
    「……起きてたの」
    改めて口にした言葉に、俺の下でエースが満足げに笑みを浮かべる。
    「起きてました。お前が気付かないの、珍しいじゃん。疲れてんの?」
    「多少はね。去年ほどじゃないけど」
    「ふーん。じゃあ、お疲れな監督生にいいモンやるよ」
    「いいもの?」
    首を傾げるも、眼前のエースの片手はリボンの結び目と戯れたまま、もう片方の手も動く気配を見せないで、俺を見上げる目を楽しげに細めるばかりだ。
    成る程、と思いついた言葉を口にしてみる。
    「……トリック・オア・トリート」
    「はい、せいかい」
    どこか甘ったるい響きを持った声と共に、動かないでいた両方の手が首の後ろに回される。唇が触れ合うのと同時に、開きかけていた口内にエースの柔い舌が潜り込んできて、反応する暇すら与えてくれずに引き抜かれた。残ったのはどこか甘い彼の味だけ。
    「……トリックだ」
    「トリートだっつーの。聞かれたオレが悪戯するのおかしいでしょ」
    「えー」
    「何、ご不満?」
    ぼやけてしまいそうな程の距離でも、エースが意地悪そうに笑っているのは見て取れる。もっと先をねだれ、と。言外で告げられるそれに、抗う理由も無い。
    「トリック・オア・トリート」
    「欲しがりかよ」
    「お菓子はないって返答だと思って良い?」
    「お好きにどーぞ、吸血鬼さん」
    ふと、自分が着替えすら済ませていないことを思い出した。ポムフィオーレから昨年の衣装の型紙をもらったのだと、今回もゴーストが用意してくれたのだ。予算等々の関係でだいぶ雰囲気は異なるけれど、今年は俺も吸血鬼となった。その為に久々にスクランパーを開けたのだった。
    ならば吸血鬼らしく、と首筋の薄い皮膚を吸い上げれば、喰んだ時に牙代わりのピアスが掠めて、擽ったそうに白い喉が震えた。とっくに日付は跨いでいるけれど、ハロウィーンの夜は昨年以上に長引きそうだ。
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    MOURNING #監督生攻め絵描き文字書き60分一本勝負
    10/31 お題:ハロウィン
    監の容姿描写(ピアス)1〜2行分くらいの差分です…
    昨年散々大騒ぎになった甲斐あってか、今年のハロウィーン週間は規模や賑わいの割にはそこまでのトラブルもなく、平穏に過ごせた。それでもやっぱり規模が規模なので、緊急の雑務が発生したりなんだりで走り回りはしたのだけど。
    くたびれてしまっていた襟を形が崩れないように直しつつ、今年は会場候補から逃れた静かなオンボロ寮へと帰寮する。はしゃぎ疲れたらしいグリムは、既に俺の腕の中で夢の世界へと旅立ってしまった。
    談話室のソファにそっと寝かせて毛布とクッションで包み、夕飯はパーティーで食べたけれど結構早々に寝てしまっていたから、お疲れ様の意も込めてツナ缶を三つほどと、あとお菓子も並べて。
    「おやすみ、グリム」
    起こさないようにそっと声をかけて自室に戻る。
    「……」
    来てるだろうな、とは思っていたけれど。俺を驚かす為か灯りも一切つけられていない暗闇の中、エースがベッドに横たわってすやすやと眠っていた。
    元々は座っていたのだろう。膝から下はベッドから下ろされていて、勿論毛布も何もかけていない。寝る準備としては風呂は済ませているようで、身に纏うのは俺の部屋に置きっぱなしの部屋着で、ハロウィーン用のメイクは綺麗 1449

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    昨年散々大騒ぎになった甲斐あってか、今年のハロウィーン週間は規模や賑わいの割にはそこまでのトラブルもなく、平穏に過ごせた。それでもやっぱり規模が規模なので、緊急の雑務が発生したりなんだりで走り回りはしたのだけど。
    くたびれてしまっていた襟を形が崩れないように直しつつ、今年は会場候補から逃れた静かなオンボロ寮へと帰寮する。はしゃぎ疲れたらしいグリムは、既に俺の腕の中で夢の世界へと旅立ってしまった。
    談話室のソファにそっと寝かせて毛布とクッションで包み、夕飯はパーティーで食べたけれど結構早々に寝てしまっていたから、お疲れ様の意も込めてツナ缶を三つほどと、あとお菓子も並べて。
    「おやすみ、グリム」
    起こさないようにそっと声をかけて自室に戻る。
    「……」
    来てるだろうな、とは思っていたけれど。俺を驚かす為か灯りも一切つけられていない暗闇の中、エースがベッドに横たわってすやすやと眠っていた。
    元々は座っていたのだろう。膝から下はベッドから下ろされていて、勿論毛布も何もかけていない。寝る準備としては風呂は済ませているようで、身に纏うのは俺の部屋に置きっぱなしの部屋着で、ハロウィーン用のメイクは綺麗 1449

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