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    あろ(遼晴)

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    あろ(遼晴)

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    ドタバタ!モン×4騒動!◇◆◇
    こちらの本に出てくるもんちゃんについて

    ○アイドル本人とは少し性格が違うところがあります。
    ○自我を持っているので元気いっぱいです。
    ○それぞれの個体で能力の差があります。
    ○もんちゃんたちはアイドルたちのことが好きです。
    ○その他アイドルも出てきますが、虎於×トウマ以外のCPを意図したものはございません。

    以上踏まえた上で不思議な生命体と暮らす虎於とトウマの日常をお楽しみください。

    ◇◆◇
    「なんだこれ…、トラ…ではねぇよな?」
    「トララ」
    「…やっぱりトラなのか?」
    「トララ、トララ」
    「あ、首振ってる。トラではないけどトラには似てるな」

     約4ヶ月ぶりの休日、今日は睡眠不足だった体を労るために夕方まで寝る勢いだったトウマの眠りを妨げたのはとある小さな1匹の生命体だった。部屋の中を何かが這い蹲るような物音と産まれたての赤子のような小さな鳴き声、共演した女優さんが連れてきた赤ん坊がこんな声出してたなとトウマはその生命体の微かな物音で目が覚めた。そして勢い良く布団を捲った途端、その物音の正体が放物線を描いて床へと落ちていったのだ。その生命体はトウマの掛布団の上を横断していたようだった。
     水色のひし形の触覚に柔らかな毛並みの手のひらよりも少し小さな生命体、床に落ちた途端に「トラ!トラ!」と不満そうな声を上げる。体の大きさに対して小さく細いしっぽをペチペチと床に叩きつけ、短い腕でトウマを指差しながら「トラ!」と騒ぎ続ける姿にトウマは未知の生命体を見るような視線を送ってしまう。

    「トラ、トラって…虎於?」
    「トラララ、トララ」
    「あ、違ぇんだ。なんだお前、しゅ○キャラ?」
    「ラッラッ!」
    「そうでもねぇんだ…、え…俺が産んだ?」
    「ラ………ラァ……」
    「分かりやすく引くなよ…、俺が傷つくだろ」

     流石に床の上では寒いかと思い、トウマはその虎於によく似た生命体を拾い上げると、先程の態度が嘘のようにソレはトウマの胸元へと飛び込んできた。「ラッ!ラッ!」と鳴きながらトウマに擦り寄る虎於によく似た生き物、水色の触覚をツンツンと触れば、触覚はまるでオジギソウのようにペコッと頭を下げる。その様子がトウマのツボに入ったのか、トララと鳴く生き物が嫌がらないからと何度もその触覚を触ってしまう。
     触覚だけではない。触り心地の良いふわふわの毛並みもコロコロと表情を変える姿もどこか愛しい恋人にそっくりで、不思議なくらいに自信満々なこの柔らかい生き物のことも愛しく思ってしまった。トウマはベッドから起き上がり、テーブルに置きっぱなしにしていたスマホの電源をいれる。あぁ、案の定恋人から朝早くに何度も着信があったみたいだ。トウマはディスプレイに表示された名前をタップし、スマホを耳に当てる。
     この生き物のように素直に虎於に謝ろう、昨日は自分も意固地になりすぎた。虎於がトウマのことを心配して言った言葉にも関わらず、冷静になれなかった自分を許して欲しいと仲直りをしよう。
     3コール程で虎於と繋がる。トウマが「ごめん」と言葉を発そうとしたその時だった。

    「トラ、おはよう。昨日はッ……!」
    『ト、トウマッ…!お前のところにも…変な生き物いないか…!赤くて…なんか乳児みたいに泣いてる生き物!』
    「…………は?」

     虎於の言葉と同時にメッセージ欄へと送られてきた1枚の写真をトウマは目にいれる。その写真には虎於の肩の上でペソペソと泣いている、起きたら急に現れていた生命体そっくりな…いや、トウマにそっくりな丸いふわふわとしているであろう生き物が虎於と共に写っていた。写真に写っている生命体を見て虎於によく似た生命体も声をあげる。

    「つがいのとうまだ、みどうとらおのところにいたんだな」
    「お前喋れんのォ!?!?!?」
    「おれはとらおだ、まぁわかりやすくもんとらとでもよんでくれ。きょうからせわになる」
    「えっ、順応しない俺がおかしいの?喋ってるんだけどコイツ、えっ?」
    『そ、そっちにもいるんだな、トウマ……?』

     スマホから聞こえる虎於の声に意識がそちらへと戻る。先程まで「トララ」「ラッ!」と愛らしく鳴いていた生き物はもういない。縋りついていたトウマのスウェットから離れると、ぴょんぴょんと器用にトウマの周りを飛び跳ね、電話先にいる己の番に自分の存在をアピールしていた。その音に気付いたのか、虎於の方にいるもんトラの番も声を上げ始める。

    『トママッ!トマッ!トママッ!』
    「おれにあいたいらしい、つれていってくれ」
    「あ、俺に似てる方は喋らねぇんだな……」

     何が起きているのか全く分からない中で、虎於とトウマは喧嘩していたことも忘れ、とりあえず今から虎於の家に行くと告げて電話を切った。番に会いに行けると分かった途端にもんトラは上機嫌になり、トウマの支度が終わらないうちから「まだか?」「とらおはどんなとうまでもすきだからみじたくしなくていい」と急かしてくる。
     もう何がなんだか分からない、起き抜けの頭はパンク状態であともう1つ何かが起きたら倒れてしまいそうだった。バタバタと準備するトウマ、そんな時トウマのスマホにまた1つ通知音が鳴る。
     通知は悠からだった。

    ――トウマ、見て。巳波そっくりな生き物。

     トウマの叫び声が部屋に反響するまであと30秒。
     これはそんな不思議な生き物と、恋人になったばかりの虎於とトウマの奇想天外な恋に追われるドタバタな話である。
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    Replies from the creator

    あろ(遼晴)

    DOODLE2/9 VRF内虎トウオンリーにて配布させて頂いたスリロマアンソロの私の部分となります。
    7月に加筆修正、完結したものを頒布予定です!
    改めて手に取って頂きありがとうございました!
    早めになくなってしまい、お迎え出来なかった方いましたら申し訳ありません🙇‍♂️
    Good night. Good dream.◇◆◇

    「トウマ!トウマ見てくれよ、ほらこの宝石!」
    「ふはっ、トラが拾ってくる宝石全部緋色だな」
    「まだ奥に少しありそうなんだ、いいやつ拾ってくる」

     宝を求める旅の人数が2人から4人になって数ヶ月、旅に慣れていない錬金術師と助手がメンバーに加わった時から全員で洞窟に入ることは無くなった。旅に慣れていないミナミとハルカを守りながら秘宝の隠されている洞窟を攻略することは無理だ、と現実的な言葉を最初に放ったのはロマンを求めるトレジャーハンターのトウマだった。
     トラオは2人守ることくらいどうってことないと4人で攻略することに前向きな姿勢を見せていたが、トウマはトラオの言葉に首を縦に振ることはしなかった。散々トラオとトウマは揉めていたようだったが、最後はトラオがトウマの言葉に折れたのか、それ以降ミナミとハルカは洞窟の外でトウマかトラオと洞窟に潜るどちらかの帰りを待つことになったのだ。
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    あろ(遼晴)

    DOODLE
    ドタバタ!モン×4騒動!◇◆◇
    こちらの本に出てくるもんちゃんについて

    ○アイドル本人とは少し性格が違うところがあります。
    ○自我を持っているので元気いっぱいです。
    ○それぞれの個体で能力の差があります。
    ○もんちゃんたちはアイドルたちのことが好きです。
    ○その他アイドルも出てきますが、虎於×トウマ以外のCPを意図したものはございません。

    以上踏まえた上で不思議な生命体と暮らす虎於とトウマの日常をお楽しみください。

    ◇◆◇
    「なんだこれ…、トラ…ではねぇよな?」
    「トララ」
    「…やっぱりトラなのか?」
    「トララ、トララ」
    「あ、首振ってる。トラではないけどトラには似てるな」

     約4ヶ月ぶりの休日、今日は睡眠不足だった体を労るために夕方まで寝る勢いだったトウマの眠りを妨げたのはとある小さな1匹の生命体だった。部屋の中を何かが這い蹲るような物音と産まれたての赤子のような小さな鳴き声、共演した女優さんが連れてきた赤ん坊がこんな声出してたなとトウマはその生命体の微かな物音で目が覚めた。そして勢い良く布団を捲った途端、その物音の正体が放物線を描いて床へと落ちていったのだ。その生命体はトウマの掛布団の上を横断していたようだった。
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