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    あろ(遼晴)

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    あろ(遼晴)

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    1週間の休暇をもらった虎トウの🐯が🐶に監i禁される話 / 🐶が気持ち悪いです / 🔞描写無し / こんな🐶もいいと思い… 末永くお幸せに。
    過去に🐯🐶両方に彼女がいた描写があります⚠️

    独占欲と毒占欲【虎トウ】「狗丸くんさぁ、おかしいよ!」

    中学の時に1度だけ付き合った彼女に言われた言葉、あの時俺はどんな顔をしていたんだろうか。今ではもう思い出せない。



    3年間片思いしていたトウマと先日、ようやく両思いになったのは悠が20歳の誕生日を迎えた少し後のことだった。
    グラスから水が溢れるように漏れてしまった俺の「好きなんだ」の5文字に「俺も好き」と同じく5文字が返ってきた日。俺の家のソファーで体育座りしながら顔を隠すトウマ、そんな照れ隠しが嬉しくて愛しくて抱き締めたのがついこの間のように思い出せる。

    そんなメンバーとマネージャーしか知らない俺とトウマの交際が始まり早3ヶ月。
    トウマの家は解約こそしていないがほぼ俺の家へと帰ってくる状態となり、物の少なかった俺の部屋に今ではトウマの物が隣に並ぶようになった。今まで抱いたことの無い感情に胸がぎゅっと鳴るのが俺でも分かる。
    きっとこれを恋というのだろうと、馬鹿らしいとは思うが初恋に俺は浮かれていた。

    恋人になったトウマは普段の姿からは考えられないほど甘えただった。
    本来の気性が影響しているのか、言いたいことをあまり言えないトウマは俺の発言1つひとつにビクリと肩を震わせる。大方、この発言で俺は怒ってないか呆れていないかを心配しているのだろうが、そんなことないと行動で安心させるしかないのは承知していた。

    (アイドルしてる時はそんなことないのにな…どうしてこんなに怖がるんだ?)

    トウマ自身、愛されること愛することに不安を未だに覚えていることは俺から見ても分かる。過去のことが影響しているのは確実だろうが、ŹOOĻの狗丸トウマとして愛されることに慣れたはずのトウマが何故こんなにも愛されることに不安なのかが分からなかった。

    「トウマ、明日何時からだ?」
    「明日は午後から……17時から撮影と22時から陸とラジオ…」
    「ん、分かった。じゃあ少し遅く起きても大丈夫だな。俺は12時から撮影だから先に出るから……」
    「俺も起きる」
    「……無理はするなよ」

    今の時刻は既に夜中の3時、夏ならもう少しで朝日が昇り始める時間だ。
    今日はお互いŹOOĻの撮影とラジオの収録、その後に俺とトウマの出るドラマの番宣もかねたバラエティの撮影が長引き、家に着く頃には既に日付を回っていた。忙しくさせてもらえるのは有難いが、こんな日が続き過ぎるのも悩みの1つだ。目の前でベッドに倒れ込んだ瞬間、気を失うように眠るトウマを見ると余計にそう思う。

    メイクで消してしまうクマが今の俺とトウマにはハッキリ見える。それもそうだ、ほぼ休みがなくレッスンや新曲の練習、それに加えて他の仕事が入っているスケジュールは既に隙間などなく、分単位での行動が求められる日だって少なくは無い。
    移動の車の中や、少しの休憩時間で睡眠を取り、食事ですらほぼ車の中でとる日もある。

    (少しでも休ませてやりたいな……)

    既に目を閉じて夢の中にいるトウマの形の良い額に1つキスを落とし、俺も目を閉じた。

    ――

    そんな生活が数ヶ月続き、3年ぶりとなる4グループ合同ライブも終わり2ヶ月、宇都木さんから告げられた1週間まるまる休みを与えるという言葉。悠は祖母とゆっくり過ごすということで実家に帰る、巳波は同じ時期に休暇を貰うという六弥と何処かに行くという話を聞いた。
    俺とトウマはもちろん2人で過ごすことを決め、俺はトウマへどこか行きたいところはあるかと尋ねた。

    「ない、トラとずっと家にいてぇ」
    「でもせっかくの休みだしどこか旅行でも行かないか?行ったことなかっただろう」
    「…お願い、トラと2人で過ごしたい」
    「……分かった、トウマのやりたいことやろうな」

    曇っていたトウマの表情が晴れる。
    俺のやりたいことやっていいの、と少しだけ遠慮がちに呟くトウマに「もちろん」と4文字を返せばトウマは嬉しそうに俺に抱きついてきた。9センチ下にあるトウマの頭を撫でてやれば、トウマはそれに答えるように俺の胸板へ頭を擦り付けてくる。
    トウマが何をそんなに喜んでいるのかは分からないが、初めてのトウマの我儘に喜ぶ自分がいることも確かだった。

    「早く帰ろうぜ、トラっ!休み楽しみだなぁ」
    「あぁ、7日間ゆっくりしような」

    事務所から立ち去り、俺の車へ慣れたようにトウマが助手席へ乗り込み、車を運転する時は必ず付けているサングラスを俺へ手渡す。
    シートベルトをつけた後にトウマの手のひらを握れば、同じ強さでトウマが握り返してくる。思わず感じた幸せを俺は素直に言葉に零した。

    「幸せだ、トウマ」
    「……うん、俺もトラと一緒にいれて幸せ」

    車の中でのキスは流石にNG、俺は早く隣の恋人に触れたい思い一心で車のアクセルを踏んだ。

    …のが僅か1時間前。
    今俺が置かれている状況はきっと説明したところで誰も理解してくれないだろう。なぜなら俺だって出来ていないからだ。
    いつも通り玄関でトウマとキスをしてトウマへ俺のスマホを渡した、スマホはトウマが中身を確認した後に定位置に置かれる。そこから動かす時にはトウマの許可がいるが、特に仕事の連絡もなければ俺は家でスマホを弄ることはなくなっていた。

    その後は風呂に2人で入るか食事をとるか、が恒例だったのだがこの日は何かが違った。トウマは風呂へ直行するわけでもリビングへ食事をしに行くわけでもなく、寝室へ俺の手を引いて進んで行く。確かに最近忙しくてご無沙汰ではあったが、そもそもトウマはそこまで性欲が強い男では無い。
    思春期の性欲を全て音楽で昇華させていっていたような男だ、俺が言い始めなければ体を繋げることだってなかっただろう。

    「トウマ、どうした?腹は減ってないのか風呂はどうする?トウマ?」
    「…………ようやく、ようやく安心出来る」
    「は?」

    寝室へ入った途端に2人が寝ても場所が余るほどの大きさのベッドへと押し倒される。
    トウマに何をされたのか分からないまま、俺はトウマからのキスを受け入れ、拙くはあるがトウマからの舌を受け入れる。唾液の交わる音が寝室に響き、お互い飲み込めなかった唾液が顎を伝い落ちた頃、ようやくトウマの唇は離れていった。

    「トウマ、ヤリたいのか?」
    「ちげぇ…ちげぇの、トラ。俺…、ごめん、トラ、許して」

    ポロポロと涙を零しながら俺の事を抱きしめるトウマ、横たわったままの俺は本当に何が起こったのか訳が分からなかった。
    そのままトウマは俺の腕を頭上へ持っていき、どこから取り出したのか分からない手錠を俺の両腕につけた。ガチャ、と音をたてて手錠が俺の腕を纏める。
    グッ、と力を入れれば正直壊れてしまいそうな玩具の手錠。俺の事を傷つけるつもりはないのだとすぐさま理解した。

    「…トウマ、どうしたい?」
    「不安だから、この7日間俺に全部任せて欲しい。トラのこと…トラが…俺なしじゃちゃんと生きていけなくなるようにしたくて…ずっと愛してて欲しいから…飯も風呂も…全部俺がやるから……世話されてくれ、トラ」

    何を言っているんだ、本当ならそう言いたかった。しかし、トウマが何かしらを不安に思ってこの行動に出たのは間違いない。
    愛して欲しい、これだけ愛情を示してもまだトウマは不安だという。それならば今回のトウマの奇怪な行動は受け入れるべきだと俺は解釈し、腹筋で上半身を起き上がらせ、トウマへとキスを送る。

    「いいぞ、トウマ。7日間お前に監禁されてやる」
    「っ……大好き、トラ…、ありがとうッ…」

    トウマも俺のキスに答え、もう一度舌を交わらせる。こうして俺とトウマの7日間の監禁生活が始まった。



    結果、トウマはこの監禁生活を楽しんで居るようだった。

    食事はトウマの作ったものをトウマの手から食べさせられる。一口ずつ咀嚼し嚥下するのを確認してから、トウマは少しずつ俺へと食事を与えた。飲み物すら自分で持つことを許されず、ペットボトルにストローをさし、トウマが支えるところから飲むしかない。
    食事の時間はトウマに管理され、飲み物を飲むことすらトウマの許可が必要だった。

    着替えの時は流石に手錠は外されるが、着る服も全てトウマが選ぶものだった。
    トウマに全て着せてもらい、トウマが満足そうにかっこいいと呟く姿はとても可愛かった。ピアスすらトウマにつけてもらう始末、トウマに出会う前の俺ならば絶対に拒否したであろうこの状況を受け入れている自分に、トウマにバレないように苦笑した。

    風呂もトウマと必ず共に入る。
    もちろん、トウマが髪を洗うし体を洗うし顔も洗う。湯船に入る時間もトウマに管理され、それより早く出ることも長く浸かることも許されない。風呂から出れば、トウマが俺の体を拭き、朝と同じように俺へパジャマを着せ、楽しそうに俺の髪を乾かすのだ。
    そしてペチペチと俺の頬へスキンケアを施し、満足気に寝室へと向かう。

    こんな日常も3日も経てば慣れてしまった。
    この間、トウマ以外のものを見ることは禁止されていて、溜まっていた録画や映画を消費することすら叶わなかったのは驚いたが。
    唯一慣れなかったのは用を足しに行くことだった。トイレすらトウマが着いてくるし、恥ずかしい話急にジーンズと下着を脱がされた時には流石に声が出た。

    「トウマ、流石に持つのは辞めてくれ」
    「…やっぱり嫌だよな、ごめん、トラ。俺おかしくてごめん…」

    嫌な訳では無い、それでトウマが安心するのであれば。
    しかし、流石に性器を持たれ排尿を見られるのは子供の頃に戻った気分になる。背後で俺の背中へ額を擦り付けるトウマの姿に俺は負け、「トウマのやりたいようにやれ」と言えばトウマは安心したように俺の性器を持ち、俺はそこから排尿した。
    その時のトウマの安心した、幸せそうな顔は今でも忘れられない。

    そして6日目の夜、トウマは微笑みながら俺の腕から手錠を外した。

    「……もういいのか?」
    「うん、トラが俺の事愛してくれてるの分かったから…」

    付き合ったその日にスマホのパスワードをお互い教え合った。
    位置情報共有アプリをいれ、少しでもおかしな場所にいればトウマから1時間で100件以上の電話、300件以上のメッセージがくる。
    家を出る時間、帰る時間は必ずお互いに報告し、更にトウマは少しでもその時間から俺が遅れると、どんなに遅くなろうが玄関の前で泣きながら待つのだ。
    女性の共演者と話していれば、どんな話であろうとも現場で殺されるような視線を向けられる。それはもう殺人鬼にも負けない視線。

    スマホは家で見ることはトウマにとってのNG行為、無論龍之介や八乙女からの電話であっても出ることは許されないか、スピーカーにしてトウマの前で電話することを求められた。

    そして今回の6日間に渡る軟禁行為。
    本来ならば恋人であっても許されない行動だろうが、トウマの不安そうな顔を見るとどうも受け入れてやりたくなる。
    泣きながら不安だと喚くトウマは巷でいうメンヘラというジャンルになるのだろうか。
    ようやくトウマを抱きしめることができ、俺は6日分トウマのことを力強く抱きしめる。

    「…俺がトウマのこと愛してるの伝わったか」
    「……トラ辛かった?」
    「辛くなんかないさ、言っただろ?どんなトウマでも愛してやるって」
    「……だいすき、トラ…愛してる」
    「俺も愛してる」

    軽いキスをした後に俺はトウマから手錠を受け取り、6日前と同じように今度はトウマへ手錠をつける。
    それをトウマは笑顔で受け入れ、そのままベッドへと寝転がった。俺は自由になった腕でトウマのことを抱き締め、そして体中にキスを落としていった。

    「さて、6日間我慢させられたしな。今度はトウマが俺に捕らわれてくれるだろ?」
    「……おう…♡……たくさん愛して?」

    あぁ、トウマ、こんなに俺たち以上にお似合いのカップルはいないだろうな。
    この自由に歩く足ですら俺たちはきっと不安に思っている。アイドルを引退したその時には、トウマの足も俺の足も切り落としてしまおうかと話しているくらいには。

    毒というのは最初は毒だと言うが、次第に体が慣れていき毒を毒だと思わなくなるという。きっと、俺達もそうなのだろう。
    トウマからの愛を既に俺は毒だと思わなくなってしまった。これは不器用なトウマの歪な愛の表現。

    「だぁいすき、トラ♡」
    「……あぁ、トウマ。お前は天性のアイドルだな」

    魅入られて離れられない、まるでジャコウアゲハのようで。

    「「ずっと一緒にいような」」

    俺はこの男にずっと捕らわれて生きていくのだろう。
    なぁ、トウマ?



    「虎於くんさぁ、おかしくない?」

    高校の時に付き合った彼女に言われた言葉、あの時俺はどんな顔をしていたんだろうか。
    あぁ、確か…こいつは違うと真顔でその女のことを突き飛ばしたんだっけか。
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