「日向クーン……寝ちゃったかな?」
気配を殺しながらそっとベッドに近づく。うん。しっかり眠ってる。ボクは日向クンの上に馬乗りになると、両手を彼の顔の横についた。そしてじっと顔を凝視する。
「意外と睫毛長いなぁ……」
そっと頰を撫でても起きる気配はない。顔を近づけて、唇と唇が触れ合う寸前で止めた。あ、起きちゃったかな? と思ったけど大丈夫みたいだ。意外と眠りが深いのかもしれない。好都合だね。
「ん……」
まずは唇を重ねるだけの軽いキスを繰り返す。ちゅっちゅと音を立てながら何度も。それだけでは物足りなくなって舌を入れてみる。歯列をなぞり上顎を舐めると日向クンの体がぴくりと反応した。
「っ……」
それでも目を覚ます様子はなくて、ボクはキスに夢中になる。唇を離すと銀色の糸が伝った。それすらいやらしく見えてごくりと喉が鳴る。もう一度口付けようとした時、突然日向クンの腕が伸びてきてボクの首の後ろに回ったかと思うとそのまま引き寄せられる形になった。
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