「もう少ししたら寝かせてやるから、ん、」
昨晩も散々抱かれた高杉は躯どころか瞼も開くのが億劫な状況だ。
互いの汗や体液を落とすため、森に担がれて浴室まで入ると頭の天辺から足の爪先まで綺麗に洗われた。
その時はまだ辛うじて意識を手放すことはなかったので、ここまで抱くくらいなら加減しろと振り向きざまに恨みを込めて森を睨んだが、森は高杉の髪をタオルでまとめるとスンとした表情のまま高杉を湯船に浸からせ、手早く自分の身体も洗っていた。
細身の高杉の躯とは違い、森の躰は筋骨隆々である。
それに対そう美丈夫だ。
織田と武田がそれぞれ自分の右腕の子息を互いの陣地に送り込んだ際、森は武田の元でホストとして彼らの商を学んだという。
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