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    fj_add_94

    @fj_add_94

    94置き場。
    ロドもドロも置くので、キャプションを【必ず】ご確認ください。

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    fj_add_94

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    【ロド】
    またもや、にこごりさん(@sakurasaku801)のこちらのツイートで書かせていただきました。
    いつもありがとうございます!

    https://twitter.com/sakurasaku801/status/1776014426145210796?t=iOrBjCa4yfxekaMaTMbHCg&s=19

    いとし、いとし不意に感じたその気配に、ゆっくりと瞼を開けた。
    大きな窓を覆う遮光カーテンのせいで部屋の中は暗い。目を慣らすように数回瞬きをして、眼の前を見ればそこには穏やかに眠るドラルクとジョンの姿があった。その口元に手を伸ばし規則的な呼吸を確かめると、ベッドを揺らさないように静かに起き上がる。
    立ち上がり眠るドラルクに手を伸ばし、起きてないことを確認してその頬を撫でた。サイドテーブルに置いてあったナイフを手にすると、寝室を出て足音を立てないように玄関ホールへと足を向ける。
    柱の影に身を潜め気配を消したv。二人、いや三人か。足音と暗闇の中動く影に人数を把握する。近くを通りかかった人影の様子に、侵入者が退治人であることを確信した。
    素早く手を伸ばし、その首に腕を巻きつけると持ってきたナイフを喉元に押し当てる。
    「っわぁ?!」
    「出たか!」
    「どうした?!」
    取り押さえた相手の喉元に切っ先を押し付けて、近づいてきた相手を暗闇の中で睨みつけた。目が慣れてきたのか、相手の影がわかる。
    「お前ら、何の用だ?」
    「吸血鬼……じゃねぇな。てめえこそ誰だ!」
    「うるっせえな。いいから言え。さもないとこいつがどうなるかわかってんだろうな」
    首を締め上げる力を少しだけ強めれば、うめき声が上がった。
    「っ……俺達は退治人だ。この城に吸血鬼がいるという噂がある。だから退治しに来た」
    その言葉にロナルドは目を細めた。
    近隣のものであれば、この城に住むのはドラルクであり、人間に危害を加える吸血鬼でないことは知られている。そうなるとこいつらは他県の退治人か。それなら俺の名前を出せば、話し合う余地はあるかもしれない。
    そう思い、口を開いた瞬間。
    『……退治人くん……?ここにいるの……?』
    玄関ホールにから奥に続く扉が開き、聞き慣れた声が聞こえた。思わず呼びそうになった名前を飲み込んでそちらを向けば、先日プレゼントしたノコの人形を片手に抱き、少しおぼつかない足取りで近づいてくるドラルクの姿があった。
    『その人達は……?』
    足を止めて不思議そうに首をかしげる姿。
    もしかして、目が覚めて俺がいないことに気づいて、探してたのか?眠いのに?なんだそれ。可愛すぎだろ。ああもうこいつらと話し合いとかどうでもいい。さっさと追い返して一緒に寝てやらねぇと。あの柔らかいベッドで、ジョンと一緒にあったかくしてやらねぇと。
    「……吸血鬼か?」
    「いや、でも噂では強大な力をもつ気高い吸血鬼だと……」
    「それなら今がチャンスじゃねぇのか……?」
    目の前の侵入者たちの声に小さく舌打ちすると、ナイフを首に当てたままドラルクへと声をかける。
    「大丈夫だ。俺の知り合いだ。なんか相談事があって来たらしい。だから寝室に戻ってベッド温めておいてくれ。すぐに戻るから、な?」
    眠る前にいつも話しかけるような甘い声で言えば、ドラルクは不思議がりながらも『わかった』と寝室に戻っていく。
    パタンと扉の閉まる音に、俺は締め上げていた相手を離してその背中を蹴り飛ばした。
    「今の吸血鬼だろ!あんた」
    「あぁ?人の家に不法侵入した挙げ句に、連れ合いを吸血鬼呼ばわりだぁ?舐めてんじゃねぇぞ。人の縄張りに入ってくんじゃねぇ……失せろ。出ていかねぇなら、今すぐその喉掻っ切るぞ」
    暗闇の中睨みつければ、相手も目が慣れてこちらの影と気配がわかったか小さく声を上げてバタバタと出ていった。
    玄関がバタン!と大きな音を立てて閉まるのを確認し、鍵を掛けるとナイフを持ったまま寝室へと戻る。
    「ドラルク」
    『ん……ロナルドくん……知り合いの方は……?』
    「ああ、帰った。悪いな、起こして」
    『ううん……大丈夫……目が覚めたら、君、いなかった、から』
    毛布を体に巻き付けて小さく船を漕ぎながら、ベッドに座るドラルクの姿。ああ、本当に可愛い。ナイフをおいてベッドに上がり、その体を毛布ごと抱きしめて寝転がる。
    胸元にすり寄ってくる仕草に少しだけ腕の力を強めると、んふふ、と楽しげな声が聞こえた。
    「どうした?」
    『ロナルドくんの、ここ……安心できる、なぁって……思って……』
    きゅううううううん、って音って本当にするんだなと思った。可愛すぎる。なんだこいつ。だめだ、こいつはやっぱり俺が守らないといけない。さっきみたいな奴らに手出しされないように、いつも傍においてこうやって抱きしめておかないとだめだ。
    じゃないと、俺が不安でたまらなくなる。
    「お前は、俺が守ってやるよ……ドラルク」
    そのまま吸い込まれるように眠りに落ちたドラルクの額に、軽く唇を押し当てて目を瞑った。



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