キスする星昴22カ所 #2【額】【額:祝福】
「ただいま帰りました」
「あぁ……やっと帰ってきてくださったんですね」
調理のために濡れていた手を、揃いで買ったエプロンで拭い、こちらも昴流とお揃いであるデザインのスリッパを、床に威勢よく打ち鳴らして。
いざ溌溂と、健康美を貴ぶ声の元へ、急ぎ駆けていく。
なにせ数日に及ぶ皇の仕事から、やっとのご帰還である。大きな仕事を任され、そつなくこなしてきた立派な若当主、こと愛する恋人を歓迎するのに、生半可な歓迎では男が廃る。
「昴流くん、お帰りなさい」
玄関口で昴流は、連泊の荷物を入れたバッグを引っ提げ、仕事終わりの実に晴れ晴れとした表情で立っていた。腕には馴染みの白コートがかかっている。それと同じく白い紙袋を手にしているのが伺えて、首を捻った。行きの格好には無かった荷物の中身はいったいぜんたいなんだろう。
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