あなたへ駆ける清々しい朝と、気持ち良さそうに鳴き声をあげながら海へ飛んでいくカモメたち。雲一つない青空。まるで今のカガリの心を表したような澄み切った青だ。
アスハ代表と呼ばれ振り向けば、そこには出会って十年近くの付き合いになるミリアリアが立っていた。
「お車の準備ができました。いつでも出発できます」
「ありがとうミリアリア、カガリでいいぞ。それに今日から代表はトーヤだ」
「そうだったわね、ごめんなさい。ついいつもの癖で」
「まぁ分らない事もないけどな。私もまだ実感無いし。またカガリと呼んでくれたら嬉しい」
ミリアリアとは同い年だし、これからはまた昔のように友人関係を築けたらとカガリは続けた。それにミリアリアはもちろんよと二つ返事で返し、それを聞いて嬉しそうにカガリは微笑む。
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