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    xkzx

    @xkzx

    書き散らかしたままで放置してるものの供養メインです。続くかは分からない…

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    xkzx

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    オムオペなザクレノの書きかけてた供養🙏

    #ザクレノ

    ザクレノ こいつは、夢か?

     思わず口にした言葉すらも実感が湧かない。
     だって、よく分からない場所で『あいつ』が動いて喋っていた──あの頃と同じ様に。

     でも感じる違和感。
     その正体は直ぐに分かった。


     ザックスは、オレとの『時間』を覚えていない。


     無様に泣いて縋り付いて取り乱ださなかった自分を褒めて欲しいもんだ。
     涙は『あの日』から一粒も落としていなかった。なのに、あいつの姿の後ろ姿を見ただけでじわりじわりと体中の水分が目元に集まっていく。
     ダメだ、これが落ちてももう拭ってくれる手はないのに。
     長い時間を掛けて一人でも立っていられる様になったのに、今更。──女神サマってやつはどうにも残酷らしい。

     この世界で出来る事?その中にオレとの事は含まれないくらい弁えてるつもりだし、ザックスの為ならいくらでも手を貸してやるさ。
     思い出さないでもいい。思い出してまた辛い思いをするのは自分だけで十分で、ザックスにはずっとずっと笑っていて欲しい。血や泥にまみれた姿よりも大好きだった眩しい太陽の様な笑顔を最後に見た姿にしたいんだ。


    「レノ、夕飯まで案内してやるよ!」
    「いや、大丈夫だぞ、と」
     拠点にしてるらしい飛空挺はザックスに会う前に軽く教えられていたからってのもあるが、まだ心の整理がついていない状態で暢気にお喋りなんて出来るハズがない。
    「そっか、なら疲れてるだろ?夕飯になったら呼ぶからゆっくりしてろよ」
    「あぁ……」
     早く切り替えなくては。『タークスのエース』って顔を作らなくては。

     ウジウジと考えながらそっぽを向いたが件のザックスはじーっとこちらを見つめたまま動かなかった。
     あぁ、探られている様で座りが悪い。
    「何か用か、と」
     溜息混じりの突き放す温度の声でザックスははっとして瞬きを数度。
    「……いや、レノの髪ってそんなに長かったかなって……」
     綺麗だな、なんて笑ってくれるな。
    「──っ!」
     ダメだ、堪え切れない。
     ひゅっと喉が鳴り、上手く呼吸が出来なくなった。
    「レノ?!」
     浅い呼吸が早くなり、不味いと口を塞ぎ蹲る。過呼吸なんて随分と久しぶりだが、慣れたものだ。
     ザックスがいなくなった頃には泣けない代わりによくこうなっていたのを頭の片隅で思い出してゆっくりと数を数える。
     するとそこに突如として温もりが降ってきた。
    「大丈夫、大丈夫だ」
     包み込み背を撫でる暖かい大きな手。ずっと欲しかった安らぎ。
    「──、ハッ……ァ」
     いつもの夢なら朝日と共に消えていたのに、これは確かに存在していてあの頃の様に許される気がした。
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    ゆうりん

    DONE【セブンスヘブン】

    バンドパロのようなザクレノ。
    出てきませんがルードとティファもバンドメンバーです。
    テキスト投稿お試し。
    サポートメンバーとして活動していたレノのベース演奏に惹かれたザックスに「一緒にバンド組もうぜ!」と誘われ、最初は断っていたものの、レノがサポート参加するライヴ全てに通い詰めて終演後には必ず出待ちしてライヴの感想を述べてから、バンド勧誘をしてくるザックスに根負けしたレノはバンド結成に承諾して今に至る。
    メンバーをあと2人募って4人編成のバンドが結成された。

    『セブンスヘブン』メンバー
    ボーカル&ギター担当ザックス
    ボーカル&コーラス&ベース担当レノ
    ドラム担当ルード
    キーボード&コーラス担当ティファ


    ~~~~~~~~~~~


    バンド結成してライヴ演奏の実力を認められて、定期的に開催できるようになってきた頃。曲作りのためにザックスの家に来ていたレノにテンション高めなザックスが声を掛ける。

    「俺のアーティスト名、イイの思いついた!」
    「…一応、訊いてやるぞ、と。」

    なんとなく嫌な予感がしたが、訊かないと面倒くさい事になるのも分かりきっていたので、溜息を吐いて先を促した。

    「アーティスト名は…『ZACK69(シックスナイン)』だ!かっこいいだろ?」

    そう来たか~!レノは片手で顔 1642

    ゆうりん

    DONE春のザクレノ現パロの続きです。
    レノは桜の精。ザックスは大学1年生。
    【桜が散る頃には】



     桜の花びらは地面に全て舞い散り、若葉が新緑に変わる頃。
     葉桜の並木道に変わってしまった光景にザックスは呆然と葉桜を見上げる。
     何度呼びかけても、並木道を探し回っても赤い髪の青年レノは姿を現さない。

    「あの時…冗談で桜の精って訊いたのに、マジだったのかよ!」

     薄々感づいていた。レノと逢えるのは決まって、咲き誇る満開の桜並木だけだったから。
     それが途端に確信に変わると胸が締め付けられるように痛い。無意識に胸元のシャツの袷を握り締める。

    「来年…桜が咲いたら必ず逢いに来るから!待っててくれよ。桜の精レノさん!」

     周りが一瞬ざわつくほど大きな声で宣言して、ザックスは自転車に跨り、ペダルに足を掛け漕ぎだした。





    『バーカ。声でけぇよ。聞こえてるっつの。』

     ザックスが去った葉桜の並木道に姿のないレノの声が静かに響く。

    『…期待、してもいいんだよな?約束…逢いに来てくれよ。』

    『オレのことが見えるのは、お前だけなんだよ…ザックス。』

     レノの願いにも似た呟きは、春風に吹かれて攫われた。

     この願いがザックスに届くように。レノは祈りなが 513

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    ドラム担当ルード
    キーボード&コーラス担当ティファ


    ~~~~~~~~~~~


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    「…一応、訊いてやるぞ、と。」

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